目黒蓮“夏”を田中哲司“基春”がファインダー越しに見る姿に心震える<海のはじまり>
Snow Man・目黒蓮が主演を務める月9ドラマ「海のはじまり」(毎週月曜夜9:00-9:54、フジテレビ系/FOD・TVerにて配信)の第8話が8月19日に放送された。3歳の時に別れて以来会っていなかった実父と再会を決めた夏(目黒)。そこで描かれたさまざまな感情に考えさせられる展開となった。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】縁側で仲良くスイカを食べる夏(目黒蓮)と海(泉谷星奈) ■2022年のドラマ「silent」チームが再集結して描く親子の物語 同ドラマは、目黒が出演し、社会現象とも呼ばれた2022年10月期のドラマ「silent」(フジテレビ系)の脚本・生方美久氏、風間太樹監督、村瀬健プロデューサーが集結して制作。“親子の愛”をテーマに、今の時代だからこそ伝えたい人と人との間に生まれる愛と、家族の物語を描く完全オリジナル作品だ。 印刷会社に勤務し、大学のときに別れた恋人の死をきっかけに自分の娘の存在を知る主人公・月岡夏を目黒、夏と付き合って3年になる化粧品メーカー勤務の百瀬弥生を有村架純、夏の娘・海を泉谷星奈、夏の大学時代の恋人で病のために亡くなった南雲水季を古川琴音、水季が働いていた図書館の同僚・津野晴明を池松壮亮、水季の母・朱音を大竹しのぶが演じる。 ■再会した実父に感情を爆発させる夏 3歳の時に母と離婚した実父・基春(田中哲司)に会いたいと連絡した夏。 ただ、一度目の再会は苦いものとなった。基春から譲り受けたフィルムカメラを大切にしていた夏だが、カメラは趣味ではなかったと判明。さらに夏が連れてきていた海に「変な名前」と言ってしまったり。 そこで夏は、海を弟の大和(木戸大聖)に託して2人で話を続けようとした。ところが基春は「絶対お前の子じゃないぞ。女ってそうだろ。ずるいよなぁ。産めるってずるいわぁ」と言い、海は喫茶店の椅子を思いっきり蹴とばして感情をあらわにした。 「(海は)俺の子です」ときっぱり言いつつ、「だから育てられてないけれど、親に会ってみたかっただけです」と再会を望んだ理由を明かした。 それに対し「育ててなくても、血がつながっている親は子どもを思って、離れてても愛し続けているに違いない。…って期待しちゃったの? 残念だったね。育ててない親なんてしょうもないって分かっちゃったね。かわいそうに」と茶化すように言った基春。夏はその場から立ち去った。 ■大きくなった夏をファインダー越しに見る基春 基春と別れた直後、海からも、合流した弥生からも怖い顔を指摘されるほどだった夏。親というだけで期待してはいけないと思っていても、やはり何か期待してしまっていたのだ。 だが、その後、写真店の店主・新田(山崎樹範)から基春が夏と会った日から毎日通ってきていると聞き、再び会うことに。 そこでカメラは趣味ではなかったが、他人の子に対しては感じなかったという幼い夏の顔が毎日違う顔をしていることを「面白い」と思い、写真に残しておくためカメラを買っていたことを知った。夏がいつも持ち歩いている当時のカメラを久しぶりに手にした基春は、ファインダーをのぞき、近くの景色から夏へと視線を向けた。 そこに見えたのは、3歳から大きく成長した息子。言葉にならない瞬間をとらえた描写は胸に迫るものがあった。新田が言っていたように、基春は夏と同じく説明下手で不器用な男だった。 そんな基春に夏は、海の存在を知ってからの本音を吐露することができた。「めんどくさいことになった」と思ったこと、自分も「悲しい」と言えないこと…。基春はときどきツッコミを入れながらもそれを受け止め、「本音言いたくなったら連絡しろな」と告げた。 前半ではSNSに「クズ」という言葉が並んだ基春だったが、後半では印象がガラリと変化。とくにカメラのファインダー越しに夏を見るときは、田中哲司の圧巻ともいえる演技だった。 第1話で朱音が「(男の人は)妊娠も出産もしないで父親になれちゃうんだから」と言うシーンがあったが、基春の姿を通してあらためて父親について考えさせられることにもなった。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部