「渋滞」政令市ワースト1位の熊本 解消目指し知事が市長に早期会談提案へ
熊本都市圏の交通渋滞解消に向け、県は庁内の関係部署で横断的に組織した渋滞解消推進本部を設置し、5日に第1回会議を開いた。信号制御の高度化やバイパス整備など短期・中期・長期的なさまざまな施策を、できるだけ速やかに実行に移していくことを申し合わせた。 本部長の木村敬知事は「都市高速計画や公共交通の利用など方向性を合わせ連携することが必要」として、熊本市の大西一史市長に早期の会談を提案する考えを示した。 会議では、同市の渋滞箇所数が175カ所(2023年、国土交通省調べ)に上り、走行時速も平均16・1キロ(15年、同)と、いずれも政令市のワースト1位(東京など3大都市圏を除く)であることを報告した。台湾積体電路製造(TSMC)の第1工場がある菊陽町では、4月の調査で車列の長さが前年同期の5倍となった交差点があったことも示された。 対策については、信号の切り替え制御に必要な車両感知器の増設や、直進走行を妨げないように右折・左折レーンを新設・延伸する計画のほか、工業団地「セミコンテクノパーク」(合志市、菊陽町)周辺でこうした事業を実施するための予算を6月議会に提案する予定も提示された。市民に対しては公共交通の利用を促す啓発に取り組む。 長期的には、交通ネットワークの将来像を描いた熊本都市圏総合交通戦略(18年)などの改訂の前倒しなども進めるとした。 木村氏は「民間、周辺市町村との連携も不可欠で、不退転の決意で渋滞解消を進めてほしい」と呼びかけた。 (藤崎真二)