川勝知事が突然の辞意表明で6月辞職へ…モニタリング会議で起きた「大きな誤算」
静岡県・川勝知事が突然の辞意表明
静岡県の川勝平太知事は4月2日午後6時頃、「不適切発言」を巡る記者たちの囲み取材の中で、突然、辞意を表明した。 【写真】リニア問題の解決策をデタラメで答える川勝知事の「最悪の行い」 静岡県議会議長宛に正式に辞職届を提出後、6月19日開会の県議会に出席した上で辞職する手続きを取るようだ。詳しい説明は一切、しなかった。 何よりも、川勝知事の意向に従って、議論が行われてきたリニア静岡問題については全く触れておらず、今月中に開催される予定の県地質構造・水資源専門部会、県生物多様性専門部会など全く不透明な状況に置かれている。 最近のリニア静岡問題の動向を振り返る。 3月29日、国のリニア静岡工区モニタリング会議が開かれ、冒頭、丹羽俊介JR東海社長は「静岡工区の遅れは、名古屋までの開業時期の遅れに直結する。2027年に実現できる状況にない」と、2027年リニア開業の断念を明らかにしたばかりだった。 当然、2027年開業が絶望的なことは、いまから4年前にわかっていた。 2020年6月、金子慎JR東海社長(当時)が静岡県庁を訪れ、「いまリニア準備工事に着手しなければ、開業に間に合わない」と準備工事の了解を得ようとしたが、その申し出を川勝知事が却下したからである。 昨年12月には、静岡工区の遅れを理由に、JR東海は「2027年開業」を「2027年以降開業」に変更、国の承認を得ていた。 今回、公式の場で初めて、2027年にリニア開業ができないことをJR東海社長が明言した。 その発言の重みと影響力の大きさに、すべてのメディアが一斉に大きく報道、川勝知事の責任を問う声が高まった。 これに対して、リニア工事を遅らせている当事者の川勝知事は「静岡工区以外の工区は、2027年まえに完了できるということなので、その状況をしっかりと確認した上で、どのような活用をしていくべきかをリニア中央新幹線建設促進期成同盟会において考えていきたい」などのトンデモないコメントを出した。 2027年開業断念に対して、事業者のJR東海が完全に否定している品川―甲府間、岐阜―名古屋間の『部分開業』を、あらためて、リニア沿線の都府県知事らに働き掛けると宣言した。 3月7日の静岡県議会建設委員会で、事務方が「部分開業の必要性について他の都府県の考えを確認し意見交換していく」などと説明した。 6月に開催されるリニア建設促進期成同盟会総会で、静岡県の公式見解としてリニア問題解決策『部分開業』をテーマにしたいというのだ。