銀聯ユニオンペイ海外版がアリペイ、ウィーチャットペイと連携・中国
【東方新報】中国人民銀行(People's Bank of China、中央銀行)が主導し中国国内の多くの銀行が加盟している決済ネットワーク「ユニオンペイ(UnionPay、中国銀聯)」の子会社・「銀聯国際(UnionPay International)は6日、海外発行の「ユニオンペイカード」が、中国の大手IT企業「阿里巴巴集団(アリババグループ、Alibaba Group)」が運営する決済アプリ「支付宝(アリペイ、Alipay)」ならびに中国最大のメッセンジャーアプリ「微信(ウィーチャット、WeChat)」のスマホ決済アプリ「微信支付(ウィーチャットペイ、WeChat Pay)」とのスマホ決済で完全に連携することを発表した。 これにより、中国を訪れる外国人は、より多様で便利で包括的な支払いオプションを利用できるようになる。 中国を訪れる海外からの旅行者は6日以降、アリペイまたはウィーチャットペイのアプリをダウンロードし、海外発行のユニオンペイカードとリンクさせることで、中国本土のユーザーと同様にQRコード決済をすることができる。 この革新的な決済モデルは、中国が今年実施した一連の措置の一つで、「外国人へのいっそうの開放と入国手続きの簡素化」の一環として、中国を訪れる外国人旅行者、労働者、居住者の決済の利便性を向上させることを目的としている。 ユニオンペイカードは世界83の国と地域で発行されており、その総数は25億枚を超える。また、183の国と地域で国境を越えた取引に利用できるという。 中国は、より高度な開放政策の推進のため、外国人旅行者の中国への入国と滞在を促進する取り組みを強化している。今年の「中国国際サービス貿易交易会(CIFTIS)」では、ウィーチャットペイが12言語の決済サービスガイドを立ち上げるなど、インバウンド決済の利便性を高めるための特別なサービスも紹介された。 中国のIT大手「騰訊(テンセント、Tencent)」傘下の社会科学研究機関「テンセント研究院(Tencent Research Institute)」の報告書によれば、中国旅行の盛り上がりで、観光地や都市の公共交通機関など、様々な分野でインバウンド観光客による支出が大幅に増加している。 例えば、インバウンド観光客がウィーチャットペイで決済したシェアサイクルの1日当たりの利用回数は、前年同期比7倍以上に急増したという。 中国外交部の発表によると、中国を訪れた外国人数は、今年第3四半期には818万6000人、前年同期比48.8パーセント増加している。海外発行のユニオンペイカードと中国の大手キャッシュレス決済アプリとの連携は、このような背景によるものである。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。