時計・宝飾店小売のウオッチズ・オブ・スイスが時計メディア「ホディンキー」を買収
英国を拠点とする時計・宝飾品小売グループのウオッチズ・オブ・スイス・グループ(Watches of Switzerland Group PLC、以下、ウオッチズ・オブ・スイス)は、コレクターや時計愛好家向けのオンライン・メディアおよびサービス・プラットフォームである「ホディンキー(HODINKEE)」を買収した。EC事業を補強し、特にアメリカでの市場シェア獲得を狙う。買収条件は明らかにされていない。ウォッチズ・オブ・スイスのブライアン・ダフィ(Brian Duffy)最高経営責任者(CEO)は、「私たちは相互的に有益な結果をもたらすブランドとの提携を望んでいた」と述べた。 【画像】時計・宝飾店小売のウオッチズ・オブ・スイスが時計メディア「ホディンキー」を買収
買収取引の完了後、ウォッチズ・オブ・スイスは高級時計のコラボレーションや、損害保険会社チャブ(Chubb)と提携した高級時計と宝飾品の保険代理店事業の機能を含むホディンキーのビジネスを統合する予定で、すべての小売トラフィックを、ウオッチズ・オブ・スイスの米国ECサイトに誘導する。
ウオッチズ・オブ・スイスによれば、「ホディンキー」のニューヨーク本社は現在の場所に留まり、同メディアは「業界をリードする編集メディアとして編集上の独立性を持ち続ける」という。一方でこの買収により「ホディンキー」の創業者ベン・クライマー(Ben Clymer)元CEOは、2020年12月にCEOの座を譲り渡して以来、初めて現場に復帰し、同メディアを指揮することになる。
ウオッチズ・オブ・スイス・グループは現在、ウオッチズ・オブ・スイス、英銀製品メーカーのマッピン&ウェッブ(Mappin&Webb)、英宝飾品店のゴールドスミス(Goldsmiths)、米高級時計宝飾店のメイヤー(Mayors)、米宝飾品店のベターリッジ(Betteridge)、中古やビンテージの高級時計を扱う時計販売店のアナログ:シフト(Analog:Shift)などを有する。同グループは米国、カナダ、中央アメリカ、カリブ海諸国における伊ジュエリーブランド「ロベルト・コイン(ROBERTO COIN)」の独占販売権も所有する。
ホディンキーは08年に創業したニューヨークを拠点とする時計専門メディア。高級時計愛好家を対象に、デジタルでの発信やビデオコンテンツ、限定時計のコラボレーション、時計・宝飾品保険サービスなどを提供している。ウオッチズ・オブ・スイスによると、ウェブサイトの年間訪問者数は2,220万人、ソーシャルメディアのフォロワー数は100万人を超える。日本では、ハースト婦人画報社が「ホディンキー」から直接ライセンスを得て、日本版メディアを手掛けている。