市民向け試乗運行も 来月自動運転の実証実験 長野県飯田市
リニア中央新幹線開業を見据えた2次交通の整備で、長野県飯田市は来年度、自動運転の実証実験を「丘の上」と呼ばれる中心市街地で行う。4月12~21日の間を予定。うち12、15、16、17、18日にテスト走行し、19~21日の本番走行では市民に乗車体験してもらう。 ハンドル操作や加速、減速を自動制御して走行する「レベル2」で、美術博物館を発着点にJR飯田駅、飯田動物園を経由する周遊ルート3キロ間で実施する。 実証実験に導入する電気自動車(EV)は乗車定員10人で、最高速度19キロ。ルート上に障害物がある場合は徐行または停止し、過ぎ去るのを待つかドライバー介入で回避する。ルート上に歩行者がいる場合も同様の対応となり、安全を確保後に運転を再開する。 市民が乗車体験できる本番走行は午前9時~午後4時の間で、1日9周(1周30分程度)運行する。定員7人。事前予約が必要で、専用フォームのQRコードから申し込むことができる。予約の受付開始は4月1日正午に予定し、先着順。 リニア駅と中心市街地との接続、中心市街地の周遊などを視野に、新たなモビリティー導入による2次交通の利便性向上を狙い、リニア推進課は「いち早く、次世代モビリティー技術を体験しませんか」と呼び掛けている。 市は本年度、民間3社と連携協定を結び、現実空間の情報をリアルタイムに反映させる「デジタルツイン(双子)」と呼ばれる技術を2次交通にも活用する。市が提供する従来の基本情報に緯度、経度、高さといった位置情報を加えることで3Dデジタル道路地図を作成。実証実験を前に自動運転車の導入の可能性を評価し、必要な道路インフラ対策についても検討している。 実証実験に関する問い合わせはリニア推進課(電話0265・22・4511)へ。