【高校野球】国士舘を率いた永田昌弘氏が明星で監督復帰 名将は「4年後には、甲子園に行く」と宣言
求めるのは攻守にスキのないプレー
追い求める野球は、国士舘高を通じて不変だ。攻守にスキのないプレー。機動力を駆使する攻撃スタイルは、永田監督の真骨頂である。 「投手を中心に、守りの野球しかできませんから。来春の公式戦から、新基準のバットが導入されます。11月には5試合、練習試合を見ましたが、打球が飛ばないのが第一印象。1点にこだわっていく野球である私たちにとっては、追い風です。素直な生徒たちが多く、スポンジのように吸収していくのが見て分かる。基礎基本の反復練習をしていきます」 指導に飢えていた選手たちの目の色が変わった。一つひとつの動きに対して意識的になり、就任約1カ月で成果は確実に出ている。12月24日からは4日間、強化合宿を行い部員38人で結束力を高め、24年シーズンを迎える。
明星高は95年秋の東京大会4強が最高成績。準決勝の相手が永田監督が率いる国士舘高だったというのも、何かの縁を感じさせる。夏の西東京大会では、8強が最高成績である。今秋の東京大会は1回戦で敗退した。 「投手陣が整備されてくれば、来年春の都大会は、2つは勝てる。夏はベスト8を目指したい。それぐらいの目標設定でいかないと、選手たちのモチベーションも上がらない」 明星高は地元・府中市への愛着が強く、ボランティア活動にも積極的だ。今後は野球部員も多摩地区、府中市内の生徒でメンバーを固める、地域密着のスタンスを打ち出している。「文武両道」を前面とする学校としても野球部、吹奏楽部、ハンドボールを強化指定部とし、スポーツが学苑をリードする青写真を描く。野球における学校応援は、教育活動の一環。スタンドが教室となり、愛校心を醸成する場として活気づく。試合会場ではパワーあふれるブラスバンドが野球部を強力な後押し。そんな盛り上がる夏の光景が見られるはずだ。 目標は明確。永田監督は、力を込めて言う。 「4年後には、甲子園に行く。夢ではなく、努力をすれば届く目標です」 甲子園通算10勝。野球を通じて人を育てる名指導者の下で明星高は日々、前進していく。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール