バフェットが語る「慈善活動の意義とそこから学べること」
「誰かからバトンを受け取るときはいつも、次の人にさらに大きなバトンを渡すことが目標です」
オークションに参加するのはとても簡単だったし、その過程でとても良いアイデアもいくつか得ました。セシルが本当に夢見ていたGLIDEを、世界中の地図に載せる手助けができましたし、その見返りに特別なことに関わることができたと感じています。 ──GLIDEを支援する活動は、あなたの慈善活動へのアプローチにどのような影響を与えましたか? 慈善活動は複合的なものです。1つのアイデア、1人の人間、1ドルから始まったものが、すばらしい高みへと成長するのです。私と妻は、食事を提供するなどさまざまなかたちで慈善活動を行ってきましたが、私が本当に貢献できたのは、自分の得意なことを通じて慈善活動を行ったときでした。 人は、すでに成功を収めているものをさらに拡大することで、何かを達成することができるということです。多くの点で、私のアプローチはバークシャー・ハサウェイのものと似ています。私たちは成功を収めたかもしれませんが、だからといってやめる理由にはなりません。ビジネスとして良い投資を行うことは楽しいものですが、人の人生を本当の意味で変えるのは、もっと楽しいことなのです。 そうした信念をもつ組織と関わりを持てる人が、世の中にいったい何人いるでしょうか。私は幸運でした。 オークションを通じて、私はパートナーシップの力についても学びました。私はハイテクには疎いですが、イーベイという企業を通じて世界にメッセージを伝えることのインパクトを理解するようになりました。彼らがオークションに参加したことで、すべてのプロセスが世界に開かれ、多くの人々にGLIDEのことを知ってもらうことができました。ランチオークションを、当初私たちが想像もしていなかったようなものに成長させることができたのは、彼らのおかげです。 ──バトンはマーク・ベニオフ氏に渡されましたが、彼に何かアドバイスはありますか? 誰かからバトンを受け取るときはいつも、次の人にさらに大きなバトンを渡すことが目標です。組織とその目的、そしてそれを取り巻くコミュニティはすでに築き上げられていますが、それを止める余地はありません。マークはこの組織を新たな高みへと導いてくれるでしょうし、彼が集めたお金は期待通りのインパクトを与えてくれるはずです。 マークが何歳かは知りませんが、彼がバトンを受け取ってくれたことをとてもうれしく思います。私なんかよりも全然速く走れるでしょうからね。
Alexander Puutio