インターネット不要の次世代AI技術…韓国スタートアップ、交通・防災・セキュリティーを革新
【11月27日 KOREA WAVE】いまAI(人工知能)は日常生活の中に深く浸透しつつある。2022年11月にOpenAIがリリースした「ChatGPT」からわずか2年で、AI技術は急速に進化し、インターネットと同様の基盤インフラへと成長しそうだ。しかし、実生活での具体的な活用事例はまだ十分とは言えない。 こうした中、研究所内だけでなく、実際の現場で「迅速かつ正確な成果」を発揮できるAIを開発しているのが、韓国のエッジAI専門スタートアップ「ハンテック(Hantech)」だ。 ハンテックの創業者であるキム・ビョンジュン氏は2019年末に海外から帰国した。新型コロナウイルス禍で再出国が制限される中、韓国で起業を決意した。AI産業の核心が「資本とデータ」にあると見抜き、AIを実際の産業現場や日常生活に適用する際の課題解決が自社のチャンスになると判断した。 2020年8月に設立されたハンテックは、現場で即応性と正確性を重視するAI技術の開発を始めた。4年にわたるフィールドテストを経て、AI専用半導体なしでも最適化された性能を発揮するためのカスタマイズデータセットや標準化されたモデル構築技術を確立した。 ハンテックの主力技術は「HMEI(Hantech Multimodal Edge Intelligence)」と呼ばれる、視覚情報を基盤とするマルチモーダルAIモデルだ。HMEIは映像や画像を認識するだけでなく、音声やテキストも処理できる。インターネット接続が不要で、独立して稼働できるため迅速性と高いセキュリティーを備えたカスタマイズモデルとして高い評価を受けている。このシステムは、極限環境でも安定的に動作するよう設計されている。 ハンテックのAI技術は現在、交通・駐車管理▽防災・災害安全▽セキュリティー分野――で広く利用されている。 取引先にはポルシェコリア、現代百貨店グループ、ソウル市などが含まれる。さらに、2022年には科学技術情報通信省大臣表彰、ソウル市長賞、2023年には産業通商資源省大臣表彰を受賞し、技術力が韓国内外で評価された。キム・ビョンジュン氏は2022年、ソウル市のスマートシティ分野における名誉市長にも選任された。 ハンテックは現在、日本とカナダへの進出準備を進めている。日本市場では顧客の信頼を得るため、現地調達による機器供給体制を構築中だ。一方、カナダではモントリオール市の投資機関と具体的な協議を進めている。 キム・ビョンジュン氏は「ハンテックのAIシステムはインターネットを必要とせず、インフラの制約を受けない。また物理的セキュリティーも強固で、プライバシーの問題が少ない。現在、国際PCT(特許協力条約)出願を2件保有しており、日本や米国などでの登録手続きを進めている」と語った。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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