石破茂×田原総一朗×青木理 「政治とカネ」の闇を暴け! ポスト岸田「熱闘座談会」 倉重篤郎のニュース最前線
真相解明がなされたとは言えないのに、岸田首相は裏金事件の幕引きを図り始めた。いま醜く露呈した「政治とカネ」の根本には、いったい何があるのか。田原総一朗氏と青木理氏が、次期首相候補人気1位の石破茂氏に仮借なく問う―。 ◇清和会裏金システムは「天才的」/カネを認めて、透明度を上げよ/日米安保体制の見直しを デジャヴュ(既視感)みたいなものがあった。 二階俊博氏の次期選挙不出馬会見である。金銭スキャンダルの渦中にある永田町の大物議員が突然会見し、自らの出処進退を表明する。記者団が質問するが、なかなか真相に迫れないまま短時間で会見が打ち切られる。いきおい翌日の紙面ではどうも消化不良感が残る。どこかで見た光景だ。1992年8月、金丸信自民党副総裁(当時)が、東京佐川急便からの5億円の闇献金問題で副総裁辞任を表明したことが思い出された。 あの時もいきなりの会見だった。その大物感に威圧されたまま、ろくな質疑もなく、「会見」は数分間で終わってしまった。5億円授受の経緯、使途など基本的な事実関係すらしっかり質(ただ)すこともできなかった。その及び腰の姿勢が世論の指弾を浴び、会見に出席した記者の名前を全員公表しろ、という厳しい意見も出た。その記者の中の一人として、私は自分を恥じた。 不意打ちの会見であったことは理由にならない。相手が打ち切っても、まだ聞くべきことを聞いていないと記者団が結束して迫ることもできたはずだ。国会議員は国民の信託を受け、記者は国民の代弁を心がける。お互いに後ろには国民が控えており、国民に恥じるものであってはならないとの戒めが必要ではないか。 今回の二階会見はトータル12分。冒頭5分二階氏が話し、残り7分間に13の質問が出て、大半は隣に控えた側近の林幹雄(もとお)氏が代わって答え、二階氏が直接答えたのは4問だった。『毎日新聞』掲載の会見要旨によると、二階氏が幹事長時代の参院選広島選挙区の裏金提供疑惑についても2問聞いており、我々の金丸会見よりはましだったような気がするものの、肝心要の裏金の経緯、使途や二階幹事長時代の5年で50億円の政策活動費についての質疑はなかった。二階氏が高齢であることが不出馬の理由かとの2度にわたる質問に対し、二階氏が「お前もその年(が)来るんだよ、ばかやろう」と言い捨てたことには撤回を求めてほしかった。