39歳で処女を貫く米俳優に賛否「時間をムダにしすぎ」批判に「結婚するまでしないのも女性の自由」と反論
社会におけるジェンダー平等や、ステレオタイプな価値観からの脱却が叫ばれるなか、女性による“性の自己決定”がますます重要視されている。特に日本では、出産や性生活を自己決定する権利（SRHR：セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス＆ライツ）に対する認知が海外に比べて後れを取っていて、「時代遅れな避妊や中絶に対する考え方を変えよう」という動きが活発化している。そんななか、「結婚するまでセックスしない」というある俳優の“選択”が話題を集めている。
議論の的となっているのは、ナイジェリア系アメリカ人俳優のイヴォンヌ・オージ。コメディドラマシリーズ『インセキュア』に出演し一躍スターとなった彼女は、キリスト教信仰の延長として「婚前交渉を控えている」ことを公言している。2023年9月、ポッドキャスト番組に登場したイヴォンヌは39歳の時点で処女であること告白。「私が将来結婚する男性のために祈ってほしい」「私にはとてつもないエネルギーが溜まっているはずだから」と、ジョークを飛ばした。また婚前交渉を控えるメリットについて、「感情的な愛着と肉体関係を完全に切り離すことができるから、元カレとはきれいさっぱり別れることができた」と話している。
これに対し、SNSではさまざまな意見が殺到。「すばらしい！」「古いジェンダー規範のプレッシャーに屈しない姿勢に感銘を受ける」とイヴォンヌを称賛する声が寄せられた一方で、「人生の限られた時間をムダにしている」「子どもをもつのは絶望的」「初めての相手となる男性がかわいそう」「セックスへの期待が高まりすぎている」という否定的なコメントも。過去の歴史において、女性が性について話すことはタブー視されてきた。ここ数年“性の自己決定”が強調されるにつれて、女性による性にまつわる選択や会話がよりオープンなものになりつつあるものの、それでもまだ「結婚するまでしない」というイヴォンヌの決断を容認できない人が多いのも悲しい事実。
自身の性の選択を公言している理由について、オルジは「私には揺るぎない“自分”がある」「だからこそ、セックスについて私と同じ道を歩まない人々に対しても偏見をもたない」と語る。「処女は面倒」「孫はまだか」など、女性の意志を一切無視した時代遅れの価値観を払拭するためにも、女性による“性の自己決定”を尊重・推進するのはこれからの世の必須事項。「誰と、いつ、どんなセックスをする」「セックスをしない」「子どもを産む」「子どもを産むなら1人だけ」……性にまつわるさまざまな女性の選択が認められ、受け入れられ、そして祝福される社会を目指したい。
