ダイヤモンド交易で栄えたハイデラバード きらびやかな街を歩く
「真珠の町」とも呼ばれる、中南部テランガナ州の州都ハイデラバード。町の郊外にあるゴルコンダ鉱山から産出されるダイヤモンドは良質で、18世紀までハイデラバードは世界有数のダイヤモンド交易の町として栄えた。 町の中心にあるのが、1591年に建てられたチャー・ミナール。4つの塔を持った、ゴルコンダ王国時代の最高傑作とも言われるイスラム様式の建物だ。ここから四方に伸びる商店街の一つを歩く。
サリーなどを売る衣料店と共に、キラキラと輝く金銀の装飾品やバングル(腕輪)の置かれた宝石店が並ぶ。金や銀、色とりどりのガラス玉で埋められ、光を放つネックレスやバングルはまるで博物館の展示を見ているようでもある。インドでも、ここまで煌びやかなものを身につけている女性は、演舞や結婚式などの特別な機会以外、なかなかお目にかかることはない。 ショーウィンドウに映るこんな装飾品をぼんやり眺めていると、なんだか一昔前に栄華を誇ったマハラジャたちの、浮世離れした豪華な暮らしが目に浮かんでくるようでもある。それは、周りの喧騒から解き放たれて、「真珠の町」を感じるひと時でもあった。 (2012年4月撮影) ※この記事はフォトジャーナル<<インドの旅>>- 高橋邦典 第51回」の一部を抜粋したものです。