ごみにカラス 台風10号で露呈した「判断と伝達」の難しさ
RKB毎日放送
台風10号の接近は、災害時の伝達や周知の難しさも浮き彫りにしました。福岡市では、「燃えるごみ」の収集中止がうまく伝わらず、カラスに荒らされる事態となりました。 【写真で見る】「台風でごみ収集中止」周知に課題も・・・ ■放置されたごみ袋 福岡市は、ごみの収集を夜に行っています。 台風10号が接近していたことから市は、29日、この日の夜は収集しないことを決め、当日の正午ごろにホームページや、福岡市公式LINEなどで通知しました。 しかし、全ての市民には周知できませんでした。 ■ごみ袋をカラスがあさり・・・ このため、30日の朝には一部の市民が出したごみ袋が回収されずにそのまま残っていました。 路上に放置されたごみ袋をカラスがあさるなどして、ごみが散乱していたのです。 ■ごみ収集 通知サービスの利用者はわずか 福岡市によりますとごみ収集に関するメール通知サービスにはおよそ3万6000人が登録。 また、LINE公式アカウントに登録している12万7000人のうちおよそ9万4000人がごみ収集に関する通知を受け取る設定にしているということです。 福岡市の人口はおよそ160万人。全市民に周知する難しさが浮き彫りとなる形となりました。 福岡市は「全市民に周知するのはなかなか難しいので、メール通知サービスやLINE公式アカウントへの登録をお願いしたい」と話しています。 ■夜に収集している政令市は福岡市だけ 福岡市は、1950年ごろから渋滞を避けるために、夜間のごみ収集を始めました。 福岡市によりますと、政令市で家庭ごみを夜間に個別収集しているのは福岡市だけだということです。 カラスに荒らされる被害を減らし、収集に従事する人の目によって犯罪抑止効果もあるため、福岡市の調査ではおよそ98%の市民が「夜間のごみ収集に満足している」と回答しています。 台風10号接近に伴うごみ収集の中止は、古賀市も30日に行っていて、古賀市は、前日の29日午前中にHPなどで告知したということです。
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