開店・閉店の激しさ増す飲食店 観光客やインバウンドが後押しするも…
求められる特色 居酒屋、カフェはレッドオーシャン
訪日観光客が9月時点で前年を上回る中、都市部における飲食店の開業数やサービス業態にも影響が出ていることが分かった。インターネットだけでは取得できない情報を人海戦術とIT技術を駆使したダブル手法でデータを構築しているReview(リビュー)=大阪市中央区=は、「全国の飲食店『開店』『閉店』に関するレポート2024年4月~6月」を発表した。(加藤有里子) 開店・閉店の激しさ増す飲食店 観光客やインバウンドが後押しするも… 調査によると、全国の飲食店開業数は1万5254件。最も開業が多かったエリアは、1位は東京(2186件)・2位が大阪(1328件)・3位は福岡(968件)となった。一方、閉店数は8168件。こちらも東京、大阪と続き、3位は北海道だった。 2024年1月~3月における、全国の開業数は1万2919件、閉店数は1万248件だったことから、開業数は2335件増加、閉店数は2080件減となり、開店数が閉店数を上回った。 ジャンル別では、1位カフェ/喫茶店、2位飲み屋/居酒屋、3位ラーメンと並んだが、閉店も同様の順となった。
開業・閉業多い中央区
大阪府内ではどのような結果になったのか。開業数は1~3月期より453件多い1328件で全国の11%を占めていることが分かった。一方、閉業数は同463件減の914件だった。 では、どのエリアでの開店が一番多かったのか。開業1位は中央区、2位北区、3位東大阪市、4位淀川区、5位豊中市だった。一方、閉業は中央区、北区、東大阪市、西区、豊中市の順。開業が多い地域では同時に閉業も同時に多いことが分かった。 ジャンル別で見ると、開業では1位飲み屋/居酒屋、2位カフェ/喫茶店、3位バー。閉店したのは、カフェ/喫茶店、飲み屋/居酒屋、各国料理だった。 広報戦略部の五味川理絵マネージャーは「中心部は観光客の増加やインバウンド需要が業界を後押ししており、業界、業種の入れ替わりも激しい。インバウンドを対象とするならば、地域の特色が出せるような店づくりや日本食の提供など戦略が求められると思う」と話す。 同社では、全国470か所の保健所からの開業情報をもとにReview独自のクレンジングを行ったデータより算出している。