ネットフリックスが契約者数の発表を止める理由(海外)
ネットフリックスは、現在定期的に公表している登録者数を、来年からは公表しない。 同社は直近の四半期で有料ユーザーが930万人増えた。ウォール街が称賛する素晴らしい結果だ。 だがネットフリックスによると、登録者数はもはや、本当の価値を反映してはいないという。ウォール街にとってはどうだろうか。 ネットフリックス(Netflix)の投資家は長年、ある1つのことを、他の何よりも気にしていた。それは、契約した登録者数が示す、高い成長率だ。 しかし投資家は今後、そのデータなしでやっていかなければならない。 ネットフリックスは来年から、現在定期的に公表している登録者数を公表しないと発表した。代わりに、「登録者数が主要なマイルストーンを超えた際には発表する」と投資家への手紙の中で述べた。 これは、同社とウォール街との関わり方を、大きく変えるものだ。同日、同社は登録者数の大幅な増加も発表した。直近の四半期、有料ユーザーは930万人増えたとネットフリックスは述べ、ウォール街の平均予想を400万人ほど上回った。 この変更の根本的な理由は何だろうか。 ネットフリックスによると、登録者数の増加が、もはや成長を計る最良の方法だとは思っていないからだ。同社はすでに投資家への手紙で何度か述べているという。 同社は、以下のように説明している。 創業当初は、収益も利益もほとんどなかったため、登録者数の成長は、我々の将来の可能性を示す、有力な指標だった。だが今、我々はかなりの利益とフリー・キャッシュ・フローを生み出している。広告や会員特典の追加など、新たな収入源も開発している。したがって会員数は、我々の成長を示す1つの要素に過ぎない。加えて、1つだった価格やプランを、各国に合わせて複数に進化させため、新規の有料会員がもたらすビジネス・インパクトは、1人ひとり大きく異なる。 その点を強調するため、ネットフリックスは2023年、登録者数の成長に関する四半期ガイダンスの提供を中止した。だがアナリストらは変わらず、独自に見積もっていた。来年の第1四半期からは、それもすべてなくなることになる。 ネットフリックスはこのニュースの後、若干株価を落とした。単純に、しばらくの間絶好調だったことへの反動かもしれない。びっくりするような数字でも、投資家を驚かせるには不十分なのだ。