「その穴をしっかりと埋めたい」中日が交渉権ゲットの関大“侍ジャパン左腕”金丸夢斗がドラファンの泣けるセリフ
意識の高さは好きな言葉でもある「覚悟」の表れか。 チームは、今季5勝11敗、防御率3.12の数字を残した左腕の小笠原のポスティングによるメジャー挑戦を容認した。 「その穴をしっかり埋められるように」とドラゴンズファンが泣いて喜ぶようなコメントをした。金丸が、5勝11敗の数字を逆転させれば、それだけで穴が埋まるどころか、最下位脱出が見えてくる。 目標とする投手はカブスで2桁勝利をマークした体型も似ている同じ左腕の今永昇太だという。 「自分の武器はストレートとコントロール。今永投手はスピード以上に球の切れがあり、空振りが取れる。動画を見て、参考にしています。今後は変化球の精度も上げていきたい」 名前の夢斗は「大きな夢に向かって、ひたむきに努力してほしい」との思いからつけられた。金丸は会見を見守っていた両親に感謝し「夢は叶えられたので今後はプロで活躍することで恩返しをしたい」と口元を引き締めた。 父・雄一さん(48)は、今夏まで甲子園大会の審判員を務めたほどの野球一家。母・淳子さん(47)がつくるグラタンをエネルギー源に2つ上の兄と弟・夢斗とともに甲子園出場を夢見た。特に雄一さんは、将来を考えて、右利きの金丸を幼い頃に左利きに変えた。 「小っちゃいときはなんでも左手でやらせていたんです。そしたらそのうち左利きになりました」 まるで現代版の「巨人の星」の星一徹だ。 雄一さんは中京大中京時代の高橋宏斗を甲子園で見ており「素晴らしい投手だった。チームに同じ世代のいい投手がいるのは励みになる」と話し、「投手有利の球場というのもいいし、名古屋なら比較的近くてドームで中止の心配がないのもいい。もちろん、阪神戦で甲子園に帰ってくるのも楽しみです」と白い歯をこぼした。 沖縄キャンプインの2月1日は金丸の22歳の誕生日。 「そんなに時間はない。しっかりと体調を整えて、キャンプを迎えたい」 早くもプロの世界へと気持ちは向かう。 “最下位脱出請負人”としての期待と責任は重いが、雄一さんが語るように、高橋宏との左右のライバル関係が2人に相乗効果をもたらす可能性もある。もしかすると「運命のドラフト」が来季のセ・リーグの勢力図を塗り替えることにつながるかもしれない。 (文責・山本智行/スポーツライター)
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