介護認定審査の短縮を議論 社保審介護保険部会
厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会(部会長=菊池馨実早稲田大理事)が9日に開かれ、要介護認定の審査期間について議論した。 現行の要介護認定は、市町村の認定調査員による聞き取り調査を行い、主治医が意見書を作成。これを基にコンピューターによる1次判定と、学識経験者で構成する介護認定審査会による2次判定で決める流れになっている。認定までの期間は介護保険法で原則30日以内と定められている。 しかし、厚労省によると、各市町村の要介護認定の審査期間は中央値で38・9日。30日以内に認定している自治体は6%程度だ。 自治体に要介護認定事務の課題を聞くと▽主治医意見書の取得に時間がかかる(93%)▽認定調査までに期間を要する(53%)▽認定調査の日程調整に時間がかかる(42%)――などが挙がる。これらのことを踏まえ、政府が6月に閣議決定した規制改革実施計画で、自治体ごとの状況を公表する方針を示していた。 会合で厚労省は具体的に各市町村の認定審査期間の平均日数を公表する方針を表明。同時に、認定調査と主治医による意見書に関する所要期間の平均日数も明らかにする考えを示した。 これに対し、全国老人福祉施設協議会の山田淳子副会長は「主治医による意見書の提出に時間がかかるのは事実」と述べ、認定事務に関する調査で出た課題を一つずつ対処すべきだと訴えた。 また、日本介護福祉士会の及川ゆりこ会長も「主治医による意見書は確認する情報も多く工夫が必要」と指摘。認定調査と主治医による意見書の作成にかかる日数の目安を設定するよう提案した。 このほか、自治体の代表からは「日数の羅列だけでなく、認定の課題や解決に向けた国の取り組みも合わせて公表してほしい」「法定日数の見直しも視野に入れた検討が必要ではないか」などの意見が出た。