佐々木朗希の大リーグ移籍先で鍵握る敏腕代理人、ジョエル・ウルフ氏 昨年は山本由伸担当
ロッテの佐々木朗希投手(23)を巡り、球団がポスティングシステムによる米大リーグ移籍へ向けた手続きを始めると発表したことを受け、今後焦点となるのが佐々木の新たな移籍先だ。各球団との交渉を行う代理人として、大手代理人事務所「ワッサーマン・メディア・グループ」(以下ワッサーマン)のジョエル・ウルフ氏が佐々木を担当すると複数の米メディアが相次いで報じている。ウルフ氏は、昨オフにドジャースとの大型契約をまとめた山本由伸の代理人を務めるなど多くの日本人選手を担当。米大リーグを代表する〝敏腕代理人〟の手腕にも注目が集まる。 【写真】ダルビッシュ有と話す佐々木朗希 ■ダルビッシュや千賀も担当 ワッサーマンの公式サイトなどによると、2002年にカリフォルニア州カールスバッドに設立。活動エリアは20カ国以上に及び、スポーツマネジメントなど複数の事業を展開している。米プロバスケットボールNBAの八村塁(レーカーズ)らも在籍するなど米国屈指の代理人事務所として知られる。 ワッサーマンでダルビッシュ有(パドレス)や千賀滉大(メッツ)ら多くの日本人選手を担当するウルフ氏だが、経済誌「フォーブス」(電子版)は「ウルフ氏が佐々木の代理人を務める予定だ」とした上で「昨年12月、ウルフ氏は山本とドジャースとの間で歴史的な契約交渉を行った」と報じた。 同誌が指摘するように、ウルフ氏はドジャースとの間で12年総額3億2500万ドル(当時のレートで約465億円)の契約で合意。複数球団が獲得に名乗りを上げる中、大型契約をまとめ上げた。 ■入札競争ではなく「リクルート戦」 ただ、23歳の佐々木の場合、25歳未満のドラフト対象外の外国人選手はマイナー契約しか結べない通称「25歳ルール」と呼ばれる規定がある。スポーツ専門局ESPN(電子版)は「典型的なフリーエージェント(FA)での入札戦争ではなく、大学スタイルのリクルート戦」と評するように、佐々木との交渉の場合は条件面ではなく、育成プランなどを含めた「環境面」がより重視される可能性がある。 大リーグの移籍情報を扱う専門サイトのトレード・ルーマーズは「競争力や地理的な観点からすれば、ドジャースは確かに有利な立場にある」とした上で、「佐々木が本当にあらゆるオファーを受け入れる姿勢であれば、どのチームでも予算内に彼を組み込むことができる」と指摘し、他球団にも獲得のチャンスがあるとの見解を示した。
佐々木を巡り「ドジャース最有力」の見方が強まる中、意外な球団を選択する可能性もあるのか。23歳の若き右腕にとって最適な移籍先は、ウルフ氏の「交渉力」が大きく左右することになりそうだ。