マドリードでの開催が決まったF1スペインGP、新設予定のサーキットはどんなレイアウト? 特徴や設計担当などの詳細をお届け
2026年からの10年契約で、F1スペインGPが同国の首都マドリードで開催されることが正式に発表された。 【ギャラリー】2025年で見納めになってしまうのか? カタルニア・サーキットでのF1スペインGP歴代勝者(1991年~) マドリードでのF1開催に向けては、公道と常設区間を組み合わせたサーキットが新たに建設される。これまでスペインGPを開催してきたバルセロナのカタルニア・サーキットや、マドリードから約30km離れたハラマ・サーキットではなく、マドリード市内でのF1開催となるため、気になるのは新サーキットのレイアウトや特徴がどうなるかということだろう。 そこで、現時点で分かっている情報をまとめてみた。 ■マドリードのサーキットはどんな感じ? マドリードでのF1スペインGPの中心となるのは、マドリード市内にあるIFEMAエキシビジョンセンター。それを取り囲むように、常設区間と公道を組み合わせた1周5.47kmのハイブリッドサーキットが作られる。 今回サーキットの設計を担当するのはイタリアのドロモ社で、数多くのグランプリサーキットを手掛けてきたティルケ社をコンペティションで破った。 主催者側は、IFEMA見本市会場のふたつのパビリオン内を通るレイアウトを望んでいたものの、安全上の理由から採用が見送られ、基本的には施設の外周を走るレイアウトに落ち着いた。 このサーキットには20のコーナーが設けられ、予選でのラップタイムは1分32秒前後。平均速度は218km/hになると予想されている。常設区間にはオランダのザントフールト・サーキットのようなバンク角がついたコーナーも設けられる予定で、コーナリング中のオーバーテイクも見ることができるようになるだろう。 時計回りに周回するマドリードF1サーキットは、IFEMA本館の前に設けられるメインストレートから始まり、リベラ・デル・セナ通りで右折して北上。アドリアドナ通りの高架下を通る“バルデベバストンネル”を抜けて、有名なレアルマドリードのスポーツ複合施設の横に建設される常設区間へと向かう。ここには上記のバンクコーナーが設けられ、コースは折返しとなる。 そこからコースは再びトンネルを経てIFEMA施設内へ戻り、ふたつの直角コーナーを抜けて、ビア・ダブリン通りへ。パビリオンを右手に最終コーナーを周り、フィニッシュラインを迎える。一般的なオーバーテイクポイントは4ヵ所だそうだ。 サーキットの建設工事は2024年半ばから開始される予定であり、2026年からのマドリード開催に向けて、今後FIAグレード1ライセンスを取得し、世界モータースポーツ評議会(WMSC)によるカレンダー承認を受ける必要がある。 サーキットの収容人数は11万人で、契約期間前半のうちに14万人まで収容人数を増やすことが計画されている。IFEMAはアドルフォ・スアレス・マドリード=バラハス空港からクルマで5分程度。地下鉄や電車など公共交通機関でのアクセスも容易だ。 なお、サーキットの正式名称について現時点で情報はないが、ラスベガスGPを始めとする最近の例に倣い、“マドリード市街地サーキット”や誘致団体を率いるIFEMAを含んだ名称になることが予想される。
Jose Carlos de Celis, Juanjo Sáez
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