＜ヤ・神＞　逆転負けを喫し肩を落として球場を後にする阪神・岡田監督（撮影・大森　寛明）

　◇セ・リーグ　阪神5ー6ヤクルト（2024年6月30日　神宮） 　悪夢の継投失敗だ。4点リードの8回に、今季最多タイの1イニング5失点。阪神・岡田監督は、最悪の事態を想定して勝ちパターンの投手を用意させていなかったとして、投手コーチをやり玉に挙げた。 　「きっちり3人ずつでいくわけないやん。（8回に）桐敷をいって、（セーブが付かない）4点差やから9回はゲラで、とか。一番ええことを絵に描いてるけど、ゲームは何があるか分からへんやん。何で準備せえへんのやろ」 　この回、最初に出した桐敷が不安定。2死から村上に適時打を浴び、1点を返された。3点差で次は打率リーグトップのサンタナ。ここで問題が起きた。ゲラ投入のはずが、ベンチの安藤コーチ、ブルペンの久保田コーチと、シナリオを共有できていなかった。 　「サンタナからゲラをいくつもりやったけど、びっくりしたわ。漆原しか（準備を）やってませんって。ええっ？って思ったわ。漆原を投げさせるつもりはなかったよ。あそこで漆原も酷やで」 　送り込んだ漆原がサンタナに四球を与えて満塁。長岡に同点の走者一掃二塁打を浴びた。松本直にも左前打で1死も奪えない。一、三塁で再度投手交代の決断を迫られ、再び誤算が生じた。 　「今度は（準備が）島本やった。昨日2イニング投げてんのに。今日は投げさせる予定がないピッチャーやんか」 　指揮官は、守護神・岩崎の「火消し投入」を決意するほど、この試合を落とせないと考えていた。昨季のセーブ王は数球で肩をつくってマウンドへ。左の武岡に代わって出た代打・山田に決勝左前打を浴びた。 　「今日の負けはめっちゃくちゃ大きいよ、はっきり言って。毎日、試合は継続してるんやからな。きっちり当たり前のことを継続しているから、ええ方向にいくわけであって。そんな簡単な1つの負けちゃうで。大変な負けやで」 　選手をかばい、刻一刻と変わる状況に対応できなかったコーチを「信じられん」と断じた。（倉世古　洋平）