選挙の「賭けサイト」でトランプの勝率が60%に急伸、世論調査と乖離
11月の米大統領選で共和党候補のドナルド・トランプが民主党のカマラ・ハリスに勝利する確率が、選挙結果に賭けを行うプラットフォームで大きく上昇した。これは、トランプの再選を支持する賭けに資金が流れ込んでいることを示している。しかし、世論調査のデータは、トランプとハリスの支持がほぼ拮抗していることを示している。 選挙を含むさまざまなイベントに賭けが行える予測プラットフォームのPolymarket(ポリマーケット)におけるトランプの勝利の確率は10月17日に60%を突破し、バイデン大統領が選挙戦から撤退した数日後の7月下旬以降で初めて60%を超えた。 選挙結果への賭けが行える他の著名なサイトも、トランプの勝利の方向に傾いている。Betfair(ベットフェア)はトランプ勝利の確率を約58%、Kalshi(カルシ)は57%、PredictIt(プレディクトイット)は54%、Smarkets(スマーケッツ)は58%と評価している。 5つの主要サイトのオッズを集計するElection Betting Oddsでは、トランプ勝利の確率が57%とされており、9月末時点の約48%から上昇している。 一方、世論調査に基づく予測モデルでは、トランプとハリスはほぼ拮抗している。統計学者のネイト・シルバーの予測モデルでは、トランプが勝つ確率は50.2%で、ハリスは49.5%となっている。また、各社の世論調査結果を集計する選挙情報サイトのファイブサーティーエイトでは、ハリスが53%対46%でリードしている。 全国的な世論調査ではハリスが有利で、リアル・クリア・ポーリングの最新データではハリスが49.2%、トランプが47.7%となっている。さらに、世論調査のデータが拮抗しているにもかかわらず、賭けサイトのオッズが劇的に変動している原因についても議論がある。ポリマーケットのアドバイザーを務めるシルバーは先週、「トランプ支持層の多いサイトがデータを歪め、実際のデータ以上にトランプの勝率を高めている可能性がある」と指摘していた。これとは対照的に、世論調査は人種や年齢、その他の人口統計にわたる米国有権者の広範なグループを代表するよう努めている。 ■株式市場でも「トランプ優勢」の見方 一方、「広範な株式市場でもトランプが勝つと確信している投資家の動きが見られる」と、ビリオネアのヘッジファンドマネージャーのスタンリー・ドラッケンミラーは17日にブルームバーグに語った。彼は、トランプが規制緩和を約束している銀行株と暗号資産の好調なパフォーマンスをその証拠に挙げている。 S&P 500の金融セクターは、ここ1カ月で7%上昇しており、13のセクター中でトップのパフォーマンスを記録した。ビットコインもここ1カ月で15%上昇し、今週は8月以来の最高値を記録した。 さらに、同じくヘッジファンドの富豪であるダニエル・ローブも、自身のサード・ポイントの資産を「トランプ勝利の可能性の高まり」を反映するようポジション調整していると報じられている。ロイターによるとサード・ポイントは、「トランプの勝利から利益を得られる資産」に投資しているという。ジェフリーズのリッチ・ハンドラーCEOは、X(旧ツイッター)にローブの見解が「賢明」だと書き込んだ。
Derek Saul