〈フジテレビドラマに異変!〉TVer歴代最高再生の月9『海のはじまり』ほか、原作なしのオリジナル路線のみ放送のなぜ?
『海のはじまり』の考察はなぜバズる?
2021年、日本テレビ系のサスペンスドラマ『あなたの番です』が記録的大ヒットをしたが、その理由は“考察”だった。『あなたの番です』は原作のないオリジナルドラマという性質から、最終回まで犯人がわからず、SNSでは考察合戦が加速。視聴者はリアルタイムでドラマを見ながら、あーでもないこうでもないと推理しては感想を共有し、結果的にドラマとSNSが巧みに連動。回を重ねるごとに盛り上がりが増していった。 以後、考察ドラマはリアルタイム視聴率に苦戦する地上波ドラマの光明となり、『真犯人フラグ』『最愛』『VIVANT』などの高視聴率ドラマが作られていった。 だが、『海のはじまり』は前述の作品のように人が死んだり、事件に巻き込まれるようなシーンはない。もちろん、犯人探しといった考察要素もない。どんな考察が人気を博しているのかというと、登場人物の何気ない所作や言葉、行動理由、そして伏線に関する考察だ。 ほかのドラマでは見過ごされてしまいそうな些細な行動でも、「こんな意図があったのでは?」「実は過去にこんな経験があったからでは?」などと考察されている。 なぜこのドラマはここまで考察が熱心にされているのだろうか。 「まずドラマにおいて、考察が流行る理由として『今後の展開がとても気になる』ことが大きなポイントだと考えます。さらにこの『今後の展開がとても気になる』には大きく2つのパターンがあると分析します。 1つ目は、制作者側が、次の展開が気になるように仕向けているパターン。次回へ向け驚くような仕掛けや、犯人予想など。いわゆる考察ドラマとされるものがこれに該当すると思います。 2つ目は、シンプルに面白すぎて、視聴者が勝手に次の展開や意味を考えてしまうパターン。丁寧に作られているドラマほど、何気ないシーンに深い意味があるなど、後から見直すと“伏線”とも取れるようなポイントも多く、結果的に考察されているのが『海のはじまり』や『silent』だと思われます」(すけまるさん) 現代において、地上波の連続ドラマがヒットするためには、SNSでの盛り上がりは不可欠。『海のはじまり』は、上手にそこをついた作品になっている。 この先、さらにドラマ枠が増えていけば、テレビ局はますます、多くのオリジナルドラマを制作しなければいけなくなる。フジテレビはそれを見据えて、準備を着々と進めているのかもしれない。 取材・文/集英社オンライン編集部
集英社オンライン編集部
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