「損切りの切り札」としての逆指値の使い方 下がったところで売りたい場合は、指値ではなく「逆指値の成り行き注文」で確実に売るべし
投資の初心者にとって難易度が高いのが「損切り」だ。値下がりした銘柄を売ることができず塩漬けにしてしまうという経験をした人も多いだろう。そので使える有効な手段の一つが“逆指値”という注文方法だ。は『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第96回は、「逆指値」について。 個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さん
* * * 自分が買った株価より下がったときに売る、いわゆる「損切り」、投資が上手な人はみんな損切りを使いこなしているとよく言いますが、実際にはなかなか難しいものです。そんな損切りを上手にするための手段「逆指値」について解説します。 ここまで下がったら売ろうと決めていても、いざそうなるとなかなか売ることができません。もし売ってしまったら、損失が確定してしまうからです。このまま持っていれば、ふたたび上昇してプラスに転じるかもしれないという淡い期待にすがる気持ちが芽生えます。人間は、損することを何より嫌いますから、これは誰もが持つ感情で、株式投資のうまい、下手とは関係ありません。 しかし、感情に引きずられて、損切りを先延ばしにすれば、損失がさらに膨らんで、ますます損切りができなくなり、いわゆる塩漬け状態に。そこで、感情に左右されず、事務的に損切りする方法として逆指値の売り注文をおすすめします。
逆指値の売り注文とは?
逆指値注文を理解するには、まず基本の指値注文を抑える必要があります。指値の売り注文は、いくら以上で売りますという予約注文です。逆に言うと、今の株価が1000円で、1200円になったら売りたいといった時に1200円で指値の売り注文を出します。 逆指値はその名の通り逆のときに使います。つまり、今の株価より安くなったところで売りたい場合に使います。たとえば今の株価が1000円で、800円まで下がったら売りたいといった場合に、800円で逆指値の売り注文を出します。 では少し頭の体操をしましょう。 今の株価が1000円で、800円まで下がったら売りたい場合、800円で指値の売り注文を出した場合どうなるでしょう。この場合は、そのときの注文状況で、いちばん高い買い注文の価格で約定します。 たとえば今の株価1000円で誰かが買い注文を出していたとしたら、1000円で売れてしまいます。800円まで下がらなければ売りたくなかったのに、売れてしまうということです。指値と逆指値の違いをきちんと理解していないとこういった失敗をしてしまいますのでご注意ください。今の株価より下がったところで売りたい場合は、指値ではなく「逆指値!」です。 初心者の方には、買ったあとすぐに自分が決めた損切り価格で、逆指値の売り注文を出すことをおすすめします。いつなんどき相場は急変するかわかりません。日中、お仕事で株価をチェックできず、帰宅してみたら損切りラインを大きく割っていた! なんてことも十分あり得ます。逆指値の売り注文を出していたら、自動的に売り注文を発動してくれますので、リスクは限定されます。
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