今永昇太級の原石が埋もれている 島内颯太郎、武内夏暉…「福岡北部」の公立校投手がプロで活躍できるワケ 福岡大会きょう開幕
「プロ」育つ練習環境
今永だけではなく、公立校出身でプロで活躍する投手がたくさんいる。今永が育った永犬丸(えいのまる)中の近くにある八幡南は、ルーキーながら4勝をあげた西武の左腕武内夏暉の出身校だ。右投手でも楽天の中継ぎとして昨年8勝をあげ新人王の候補となった渡辺翔太投手は北九州高、昨季のセ・リーグで最優秀中継ぎ投手賞を受賞した島内颯太郎投手は福岡県福津市の光陵高出身。北九州市や筑豊地区などを中心とした「福岡北部地区」の公立校出身の選手の活躍が目を引く。田中さんは「公立が私立を倒そうとするとやっぱり左か変則しかない。公立校の指導者が左や変則投手を育てようとするから、そういう投手が育ってくるんじゃないですかね」と言う。 井上さんがあげたのは練習環境。私立に比べて練習環境や練習時間に制約がある公立校では自分で工夫して練習するしかない。今永も高校時代の練習時間は午後7時30分までと決まっていた。「公立校では今の環境で自分がどうやって成長するかを考えて練習していきます。考えるっていうのは大きい。大学や上に行けば環境が整ってくるのでそこでレベルが上がるんじゃないかと思います」と話してくれた。 今永は3年の夏は4回戦で小倉に敗れた。武内は豊国学園に敗れ初戦敗退で早々と夏が終わった。福岡大会は今年、北九州市民球場をメーン会場に135チームが熱戦を繰り広げる。将来日本を飛び出して活躍するようなダイヤモンドの原石がどこかに埋もれているかもしれない。そんな原石たちとの出会いを楽しみにしながら夏の大会の取材をしていきたい。(前田泰子、大窪正一)
西日本新聞社