「生理用品、壇上に並べられては…」女性への配慮に欠けた能登の避難所、防災士が支援通し得た気付き
深夜に1人で待機には不安も
被災地支援のため1月中旬に派遣された同郡下條村の職員塩沢歩乃佳(ほのか)さん(30)は、80人ほどが身を寄せる輪島市の避難所で女性の避難者に「やっと女性が来てくれた」と言われた。 プライベートの確保が難しい狭い避難所には専門学校生ら若い女性たちも避難。支援のため立ち入る職員が女性だと「やっぱり安心するだろう」と実感したという。ただ、自分たちが寝泊まりするスペースには個人用テントがあったものの、避難所は深夜でも出入りする人がおり、1人で待機する業務には「不安を感じた」と明かした。
必要なのは周囲の理解や環境整備
上野さんが支援活動に協力した長野県社会福祉協議会は1月中旬、被災者支援に当たる職員らの宿泊所として男女別のトレーラーハウス2台を現地に設置した。上野さんは「女性でも被災地で活動できる。必要なのは周囲の理解や環境整備だ」と指摘する。 上野さんは小学生2人と保育園児の母でもある。不在中は家族が子守などを担う。被災者に避難所を「自分の家」と感じて安心して過ごしてもらうためには、男女を問わず、育児や介護を含め、さまざまな経験を積んだ多様な人材が運営に関わるべきだと考えている。