有名人の不倫を許せない人は「気持ち悪い」。ネットニュースを鵜呑みにする愚かさ|ドラマ『不適切にもほどがある!』
3月15日に8話が放送された『不適切にもほどがある!』(TBS系、金曜よる10時~)。不祥事を起こした芸能人を必要以上に攻撃する“ネットリンチ”の醜悪さを見事に表現した秀逸な回だった。
「たった一度の過ちで」表舞台に立てなくなった男
冒頭、テレビ局・EBSテレビのカウンセラーを務める小川市郎(阿部サダヲ)のもとに、女性アスリートとの不倫をキッカケに社内で腫れ物扱いされている入社7年目のアナウンサー・倉持猛(小関裕太)が相談にやってくる。倉持は不倫スキャンダルの発覚後、裏方業務に取り組んだり、反省文を定期的に提出したりなど、約3年間“禊(みそぎ)”のため懸命に過ごしていたという。 ようやくアナウンサーとしての復帰の目途が立ったものの、リスクマネジメント部の部長が栗田一也(山本耕史)に変わったことにより、その話は一旦白紙に戻されてしまったと話す。仕事を干された倉持に同情した市郎は栗田のもとに抗議に行く。市郎は「たった一度の過ちで3年も閑職に追いやるなんて、権利乱用による不当な配置転換と過少要求、すなわちパワーハラスメントに該当するんじゃないのかね」とカウンセラーっぽく説得する。
番組をバッシングする“観てない連中”とどう向き合うか
市郎の指摘を栗田は受け入れ、朝の情報番組『朝ッパラTIME』への倉持出演を約束。ただ、倉持が“性懲りもなく”テレビ復帰したことに、一部の視聴者は違和感を示す。その声を拾って作成された「【不倫アナ】倉持猛が『朝ッパラTIME』に登場 不倫騒動後、3年ぶりのテレビ出演」と題したネットニュースが掲載される。そして、このネットニュースを見たSNSユーザーから倉持に対する批判の声が上げり、それらの声を抜粋したネットニュースがまたしても掲載。 2回目のネットニュースのコメント欄には「そもそも観てないけど、倉持が出るなら今後一切観ない、観てないけど」といった声で溢れかえる。番組を視聴していないにもかかわらず、倉持が出演している番組はもう二度と見ないと宣言する人の多さに困惑する市郎の前に栗田が現れ、「もはやテレビが向き合う相手は視聴者じゃない。見てない連中なんです」と現在の息苦しいテレビ事情を説明した。