“展覧会で観て、アートフェアで買う”「CURATION⇄FAIR Tokyo」一般非公開の「kudan house」で初開催
1927年に建築され、登録有形文化財に登録されている東京・千代田区の「kudan house」で、2月22日(木)から3月11日(月)まで、アートイベント『CURATION⇄FAIR Tokyo』が開催される。通常は一般公開されていない歴史的建造物でアートに親しめる絶好の機会だ。 kudan houseは、新潟県長岡市出身の財界人・5代目山口萬吉がスパニッシュ建築様式で建設させた旧私邸。1945年の東京大空襲で多くの建物が焼失するなか、災禍を逃れ、建築当時の美しい姿を今に伝える建物だ。2018年の改修を経て、現在は会員制ビジネスイノベーションの拠点として利用されている。 この雰囲気ある会場で開催される同イベントは、「展覧会で観て、アートフェアで買う」というコンセプトのもと、「どんな作品を選んだら良いか」と迷う人々の声に寄り添って企画されたもの。日本独自の美や芸術の在り方や、作品の価値の理解を深めるべく意図されている。会期は2部構成で、展覧会は2月22日(木)から3月3日(日)まで、またアートフェアは3月9日(土)から11日(月)までの開催となる。 気鋭のキュレーター・遠藤水城が企画した展覧会『美しさ、あいまいさ、時と場合に依る』は、1968年にノーベル文学賞を受賞した川端康成の講演「美しい日本の私」と、その26年後に同賞を受賞した大江健三郎の講演「あいまいな日本の私」による。日本の美や芸術の特質を捉えたこの二つの優れた日本文化論を現在の日本美術の状況へと重ね合わせ、さらにその先へと視線を向けるのが今回の展覧会だ。古美術から近現代美術、デジタル・アートに至るまで、様々な作品が織りなす複合的な「時間の層」を通して、来場者はアートとその社会的意義と向き合うことになる。 一方、アートフェアの『Art Kudan』のテーマは「時の所望」。茶室に四季折々の花を入れる楽しみを客人に譲る茶道の作法「花所望」に由来する。国内の厳選されたギャラリーや美術商が各々の審美眼に基づいて作品を持ち寄る同フェアは、作品を選び、コレクションを楽しむという意味で、観客が積極的に関わるイベントとなっている。 歴史ある会場の雰囲気とともに、展覧会とアートフェアを組み合わせた同会場での初の試みを楽しみたい。 <開催概要> 「CURATION⇄FAIR Tokyo」 会場:kudan house ■展覧会『美しさ、あいまいさ、時と場合に依る』 会期:2024年2月22日(木)~ 3月3日(日) 時間:10:00~21:30、土日祝は21:00まで、最終日は18:00まで(入場は閉場30分前まで) ■アートフェア「Art Kudan」 会期:2024年3月9日(土)~3月11日(月) 時間:11:00 - 19:00(入場は18:30まで)
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