【佐賀競馬】試練続きの春を乗り越えウルトラノホシ佐賀二冠達成なるか
日本ダービーの2時間半後、佐賀競馬場でも3歳頂上決戦が行われる。 昨年まで「九州ダービー栄城賞」の名で親しまれた重賞は、今年から「栄城賞(3歳、ダート2000m)」とシンプルなレース名に一新。地元馬同士の一戦に、南関東から3名、北海道から1名のジョッキーが駆け付け、豪華競演となる。 【写真】ウルトラノホシのこれまでの軌跡 注目は何といってもウルトラノホシだろう。今年1月にはJRA馬相手に船橋・ブルーバードカップJpnIIIで小差の4着。勝ったアンモシエラからは0秒2差で、その勝ち馬は羽田盃JpnIで2着という走りを見ると、自ずとウルトラノホシへの期待感も高まる。 しかしながら、この春は試練続きだった。好勝負を演じたブルーバードC後、栃木県の地方競馬教養センターに滞在し、大井・雲取賞JpnIIIを目指す予定だったが、日中の訓練で出入りする馬を気にしたり、たった1頭での滞在ということなどもあり、カイ食いが極端に落ち、わずか3日で帰郷することとなった。 佐賀からの長距離輸送で臨んだ雲取賞でも6着に入ったが、大井・京浜盃JpnIIを目指す過程で挫跖。その痛みが取れるのに時間を要し、佐賀皐月賞は正直、急仕上げ感は否めなかった。さすがの素質馬でも厳しい戦いになるのでは、と思われたが、そんな考えをアッサリ払拭して3コーナーから末脚を伸ばし、他馬をねじ伏せる勝利。 真島元徳調教師も「6割くらいのデキ」と言う中で佐賀三冠の初戦を制したのだから、順調にいけば三冠制覇も見えてくる。距離が200m延びるのもプラスで、今回、未対戦馬は未勝利馬1頭のみだ。 あえて不安点を挙げるとすれば、フットワークが大きいためもう少し外目の枠の方が競馬がしやすいかもしれないが、最内枠からカペラ賞勝利もあるため、問題ないだろう。7戦続けて石川倭騎手(北海道)が騎乗する。 相手筆頭格はトレベルオール。佐賀皐月賞はやや出遅れて後方からとなったが、最後までしっかり伸びて3着。4戦続けて上がり3ハロン最速の末脚を繰り出しており、ウルトラノホシにどこまで迫れるか期待が寄せられる。前走では吉原寛人騎手(金沢)が騎乗したが、今回は昨年の南関東リーディング・笹川翼騎手(大井)が初めて手綱をとる。 トゥールリーは2歳秋に世代最初の重賞・九州ジュニアチャンピオンなど重賞3勝の実績馬。前走に続いて手綱をとる矢野貴之騎手(大井)は「乗り難しい面があって、前走は向正面で積極的に動いてもよかったかもしれません。距離は延びても問題ないと思います」と、佐賀皐月賞4着以上の結果を目指す。 佐賀皐月賞2着からの巻き返しを図るのはデッドフレイ。管理するのは騎手時代、“キングシャーク”の愛称で親しまれた鮫島克也調教師。JRAの鮫島良太・克駿騎手兄弟の父でもあり、昨年の当レースをテクノゴールドで制覇。調教師として連覇がかかる。 また、末脚が魅力のケンタッキーグレイには前走に続き澤田龍哉騎手(船橋)が騎乗。牝馬ながら侮れない存在だ。 当日は栄城賞の歴代勝ち馬アクリルキーホルダーなどが当たる抽選会のほか、佐賀競馬のアイドル「UMATENA」のライブ、またYouTubeでは生配信番組「SAGAリベンジャーズ」に元ボートレーサーの今村豊さんと声優の前田玲奈さんをゲストに迎え、佐藤哲三さんとMC・優希乃さんが盛り上げる。 栄城賞は5月26日、佐賀6レース。18時05分発走。 (文・大恵陽子)