「リグレーの洗礼」初ブーイングなんの大谷2戦連発 カブスファンは「オオタニサンは負けた」…担当記者が「見た」
◆米大リーグ カブス9―7ドジャース(5日・米イリノイ州シカゴ=リグレーフィールド) 【動画】豪快!大谷翔平、今季2号は鈴木誠也の頭上をはるかに越えてライトスタンドへ ドジャース・大谷翔平投手(29)が5日(日本時間6日)、敵地でのカブス戦に「2番・DH」でフル出場し、2試合連発となる2号2ランを放った。メジャー通算173本塁打で、松井秀喜の日本人最多175本にあと2本と迫った。開幕から自己ワーストの8戦、40打席不発と試行錯誤していたが、全開モードに突入した。 * * * リグレーの洗礼だった。初回1死の1打席目に向かう大谷へ、大歓声とともにカブスファンからブーイングも交じった。同球場は19年6月以来2度目だったが、当時はナ・リーグにDH制がなく、代打待機も出場はなく、カ軍ファンも“初打席”を待ちわびていたかのようだった。8回2死一塁の打席でブーイングの声が大きくなり、カウント2―2からはファンが総立ちになるほど注目を浴びた。 ブーイングを浴びることは一流選手の証しでもある。これまでは相手にとって間違いなく嫌な打者であっても、二刀流という珍しさもあってブーイングが起きることはどの球場でもあまりなかった。昨オフのFA戦線で獲得に動いていたとされるカブスを選ばなかったことも一因だろう。ただ、試合に勝ったことでカブスファンは本塁打を打たれたことを忘れてしまったのか、日本人報道陣を見つけると「オオタニサンは負けた!」「勝ったのはカブスだ!」とうれしそうに叫んでいた。 これまで故障や、二刀流は無理だと断じる声を吹き飛ばして結果を出してきた大谷。「初ブーイング」も3打席目の圧巻の一発で吹き飛ばしたのは、大谷らしかった。(安藤 宏太) 〇…大谷の本塁打ボールはグラウンドに投げ返された。打球をキャッチしたカブスファンのビル・リッチさん(48)は「リグレーフィールドでは対戦相手のホームランボールは投げ返すものなんだ。ここの伝統さ。俺たちはカブスファン。翔平ファンじゃない」と言い放ち、食べていたナチョスに落ちたとあって「タコスのシミがついているはず」と笑い飛ばした。1号のボールはサインボールなどと交換で大谷の手に渡ったが、2号は敵地の洗礼?を浴びた。
報知新聞社