戦艦「大和」みたいに機銃マシマシの方が強いんじゃ!? 現代軍艦が貧弱な主砲と数少ない機銃のみの理由 なぜ甲板上スッキリに?
完全にはミサイルに置き換わることはなかった
ミサイルの技術が向上すると、今度は「誘導の効かない艦砲や対空機銃を搭載するくらいならばミサイルを配置した方が効率的」という考え方で、一時期はアメリカ海軍のロングビーチ級原子力ミサイル巡洋艦やイギリス海軍の22型フリゲートのように、ミサイルしか搭載しない艦船も登場します。ところが、ミサイルのコストは通常の砲弾よりはるかに高いため、砲全てをミサイルへ転換するには至りませんでした。 また、高いコストを抑制する必要性から、コンピュータ制御の導入や砲身冷却などのシステムにより、精度と発射速度が格段に進歩した、単装の小口径速射砲や、バルカン砲の愛称で知られる、発射速度に優れた多銃身機関砲を積むようになりました。これらは、かつて栄華を誇った連装砲や対空機銃・対空砲の代わりになるかのごとく搭載されていきます。 ところが、2024年現在は、対艦ミサイルの高性能化によってCIWSや小口径砲では迎撃が困難であると指摘され、近接防空ミサイル(RAM)と併用されるようになっています。 2020年代に入って多用されるようになった、自爆ドローンの対策に関しては、いまだにコストパフォーマンス面などからCIWSや小口径砲の方が有効です。ただ、ドローンなどの防衛兵器に関しても、将来的にはレーザー迎撃兵器などに置き換わる可能性もあります。 ちなみに、模型にすると、細かい突起物の多い大戦型軍艦の方が完成時の見栄えや達成感が高いという声はある模様で、その見た目ゆえに第二次大戦時の艦艇にロマンを感じる人はまだまだ多いようです。
斎藤雅道(ライター/編集者)