台湾の実写版「ちびまる子ちゃん」野口さん役・松岡李奈が期待される理由
日本の芸能界とは違う、香港、台湾の芸能界
アジアでキャリアを重ねてきた松岡は、香港や台湾の芸能界と日本の芸能界の違いを肌で感じてきた。 「香港の芸能人はすべてをやります。歌手は映画で俳優もします。日本と違い、タレントという職業はとくになく、何を主にやっているかで決まります。それと、ファッション誌のスピードが、とっても早い。撮影した2日後には自分が世間に出ています。撮影時間もどの雑誌社も4時間と決まっていて、初めて香港に来たときは、なんとなく慌ただしいな、 とも感じました」 どうやら香港の芸能界は、とてもスピーディーなようだ。 「映画も、すべての撮影期間が1カ月以内、その2、3カ月後には映画館で観れます。お仕事のスケジュールも前日に撮影が決まるなど、とにかく急だし、とても仕事が早い。今はもう慣れましたが、最初は日本と比べて考えられませんでした(笑)。プラス香港で活躍していると、台湾、中国、マニラ、オーストラリア、カナダ、マレーシアのメディアも注目してくれるので、香港以外の国でもお仕事があります。それは、中国人の方、香港の方が各国にたくさん住んでいるからだとも聞きました」
日本・香港・中国合作の映画「一夜再成名」にも出演
その松岡、中村雅俊の娘役として出演した日本・香港・中国合作の映画「一夜再成名」が日本公開を来年に控える(中国では今秋公開)。香港のテレビ局に勤めるプロデューサーが、表舞台から遠ざかったかつてのスター歌手たちに「たった一度のステージに上がってもらう」企画を発想、日本へ渡る。日本のテレビ局スタッフをともない、歌を捨てた演歌歌手や歌えなくなったアイドル、絶頂期にこつ然と消えた伝説のシンガーたちを探して歩くという音楽ロードムービーで、主演の石川恋をはじめ、竹中直人、藤原紀香、岩城滉一ら、そうそうたる日本の俳優が出演している。 「とても勉強になり、ありがたく感じています。今までは広東語、中国語で演技をして来ましたが、日本人役なので母国語で演技をさせてもらい、日本語のセリフは一瞬で頭に入り覚えられることに自分でも驚きました。日本語で演技をすることがどれだけ心地が良かったことか、この先も女優としての活動をやって行きたいと改めて思いました」 また、音楽が大好きなので歌手としての活動もやっていきたいとのこと。 「今後、エンターテイナーとして日本とアジアをつなぎ、世界で活躍する1人の人間になりたいと思っています」と目を輝かせている。 (取材・文:志和浩司)