地震や土砂災害による水道管の破損で、断水する恐れがある住宅などの戸数を、AI（人工知能）を活用して予測するシステムを、農業機械大手のクボタが開発した。水道管の耐震化を効率的に進められる仕組みとして、来春にも全国の自治体向けに提供する。
水道管の種類や老朽化の進み具合、埋設場所の地盤の情報、漏水事故の履歴などのデータから、AIが断水の可能性がある戸数を予測する。さらに、この予測を基に工事区間の優先順位をつけ、断水戸数を最小限に抑えられる工事計画も提案する。システムの導入により、水道管の更新計画の策定にかかる時間を30分の1程度に短縮できるという。 1月の能登半島地震では、老朽化した水道管の破損により断水が長期化した。国は2028年度までに、全国の水道管の耐震化率を60％以上にする目標を掲げているが、22年度末時点で42％にとどまる。自治体の財源不足などで、耐震化に対応するための更新工事が進んでいないという。 クボタは水道管の製造も手がけており、限られた予算内での効率的な更新工事を後押しするため、自治体にシステムの採用を働きかける。
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