日本にないスバル「インプレッサ」が英国にあった! マクラーレンのF1マシンを手掛けたピーター・スティーブンスがデザインした「P1」とは?
もともと500台の予定だったが、あまりの人気ぶりに……
P1への改良は広範囲に及び、よりパワフルなエンジンはスタンダードなインプレッサ・ターボより69psアップの280psに。これにイギリス以外での使用も想定してハイギアード化された5速MTや、ラリー・ステージでのノウハウが存分に注ぎ込まれた専用チューニングのサスペンションなどが組み合わされた。エキゾーストのテールパイプも大径化され、そのサウンドは多くのファンを魅了した。 当初500台の限定生産が行われる予定だったP1だが、その人気は高く、結局プロドライブは1000台に生産計画を修正。それらはいずれもスバル・ファンの手に収まったが、2024年2月にはアイコニック・オークショネアーズからP1が出品され、6万6375ポンド(約1268万円)で落札された。 この時のモデルが、走行距離で約3万7205kmを刻んだモデルだったことを考えると、今回出品されたP1はすでに12万kmに迫る走行距離であることなど、オークションには不利な要素もいくつかあった。アイコニック・オークショネアーズのエスティメート(予想落札価格)は、それでも5万~6万ポンド(約985万円~1180万円)と強気だったが、残念ながら落札者は現れなかった。日本国内で販売された「22B」のようなコンプリートカーと、ぜひ真っ向から勝負してみたいと思わせる1台なのだが。
山崎元裕(YAMAZAKI Motohiro)