佐世保の西肥バスが14路線廃止 来年3月末、運転手不足で…通勤や通学などへの影響懸念
長崎県佐世保市の西肥自動車(西肥バス)は1日、14路線を来年3月末で廃止する予定だと発表した。9月に九州運輸局に届け出をした。慢性的な運転手不足で、現状の運行規模を維持、運営するのが困難な状況として、大規模な廃止を判断した。 今年4月のダイヤ改正では、2路線を廃止し、461便を減便。今回は佐世保市を中心に松浦、平戸、伊万里市、東彼川棚、波佐見町で運行する14路線計126便が対象となる。路線は烏帽子岳、弓張岳、松浦-世知原、川棚-内海など。 同社は利用実態を検証した上で廃止区間を決定。1便当たりの平均利用人員が0・4~7・6人となっている。対象エリアの4営業所では、必要な運転手198人に対して、実人数は152人で、46人不足している(10月1日現在)。 通勤、通学など地域住民への影響が懸念される中、関連自治体は対応について検討。川棚-内海は川棚、波佐見町の高校生にとって、県立川棚、波佐見高に通う手段となっている。波佐見町は「通学の代替手段や町民の移動手段の確保について、検討を進めている段階」としている。 川棚バスセンターで帰りのバスを待っていた波佐見町在住の川棚高3年生(17)は「帰りにバスを利用している。JRなど他の交通機関がないので、後輩は困るだろう」と話した。佐世保市は代替手段として、乗り合いタクシーの活用などを検討している。 同社は「労働環境などの処遇改善に着手するなど、さまざまな対策を講じているが、結果につながっていないのが実情。運転手の高齢化が進行し、要員充足率は急速に悪化している」としている。