静岡県生まれのレモンでクラフトビール開発 農林環境専門職大と池田屋麦酒がタッグ
磐田市の静岡県立農林環境専門職大と牧之原市のクラフトビール醸造所池田屋麦酒が連携し、静岡県生まれのレモン品種「璃(り)の香」を使ったクラフトビール「璃の香えーる」を開発した。5日に静岡市葵区で開かれたイベントでお披露目と販売を行った。 「璃の香」は同市清水区の農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)のかんきつ類の研究拠点で誕生し、2015年に品種登録された。国内のレモン栽培の課題となっている「かいよう病」に強く、まろやかな酸味と華やかな香りが特徴という。種が少なく果汁が豊富なため、加工に適している。 新商品作りは、璃の香の認知度向上や食を楽しむ旅「ガストロノミーツーリズム」の振興などを目的に同大の丹羽康夫教授が中心となって始めた。4年の水嶋穂高さんと柴田佳歩さんが加わり、池田屋麦酒の月居麻水社長に製造の協力を依頼した。月居社長は璃の香の果汁量を調整し、レモンのさわやかさとビールの味のバランスが取れた商品に仕上げた。 水嶋さんと柴田さんはレモンの果汁搾りや仕込み、瓶詰め作業に参加した。2人は「クラフトビール初心者でも飲みやすい。ぜひ味わってほしい」と話した。 330ミリリットルの瓶入りで税込み700円。イベントなどで販売する予定。11月17日には、同大の大学祭で璃の香を使ったサイダーの販売も計画している。
静岡新聞社