ブライアン・ウィルソン、幻のカントリーアルバムが来年リリースへ
1970年代に制作された、ブライアン・ウィルソンの幻のカントリーアルバムが遂にリリースされる。『カウズ・イン・ザ・パスチャー』というタイトルで、元ビーチ・ボーイズのマネージャーだったフレッド・ヴェイルのヴォーカルがフィーチャーされた同アルバムは、来年にリリース予定とローリングストーン誌が伝えている。 ちなみにブライアンはエグゼクティブプロデューサーも務め、ボーカルも1曲担当している。 ブライアンとのコラボレーションについてフレッドは同誌にこう話す。「彼に言ったんだ『カントリーの曲を書いたことがあるか?』って。そしたら『ないよ』って言われて、僕は『ミュージシャンとして誰を使いたいとかはある?』って聞いたら、『いや。君が曲を見つけて、ミュージシャンを選んでくれたら、ウォーリー・ハイダーのスタジオに行ってアルバム制作を始めよう』ってなったんだ」 ブライアンとフレッドは、ビーチ・ボーイズの1970年のアルバム『サンフラワー』の制作の傍ら曲作りに取り組み、ギタリストのジェームス・バートン、ピアニストのグレン・D・ハーディン、スチールギタリストのレッド・ローズを起用した。しかしブライアンは、「興味を失った」としてこのプロジェクトを止めることにしたという。 フレッドはこう振り返る。「最終的なボーカルを録っていなかった。ほとんどは仮歌で未完成だった。バックボーカルもハーモニーもなかった。インストゥルメンタルだけがいっぱいあって、ブライアンが興味を無くしたから、私が進めるってなったんだ」 フレッドによるとブライアンは、多くの個人的な問題を抱えていたそうで、一緒に作ったものはビーチ・ボーイズのお蔵入りの曲にしたそうだ。 そして年月が経ち、フレッドはナッシュビルを拠点に活動するプロデューサー、サム・パーカー、カントリーとロックンロールからのレジェンド、コンテンポラリーのカントリーやポップスターたちを迎えて、同アルバムを遂に完成させた。 ちなみにフレッドは参加アーティストの詳細を明かさなかったものの、ボブ・ディランのギタリストとして知られるT・ボーン・バーネットがそのうちの1人であることは確かだ。 そんな幻の作品リリース決定にあたり、ブライアンはこうコメントしている。「フレッドは常にカントリー音楽が大好きだった。大のロデオ・ガイさ」「最高の人間で、プロモーターとしても素晴らしい。彼のアルバムが出ることを嬉しく思っている」 (アフロ)