全財産と借金で「起業」にかけたいと思います!生活費の備えとして「生活保護」は受けられますか?
起業のために自身の有り金をすべて使い、さらに借金をしようと考えている方の中には「事業が軌道に乗るまでは、生活保護を受ければ生活できるはず」と思っている方もいるかもしれません。 その前に、借金をした状態で生活保護は受給できるのかを、確認しておいたほうがよいでしょう。本記事では、生活保護を受けるための条件とともに、借金と生活保護の関係について詳しくご紹介します。 ▼「生活保護」の受給要件とは? 親族への扶養照会は必須なの?
生活保護を受けるための条件とは?
生活保護を受けるためには、自身で申請する必要があるため、受給要件に当てはまっているかどうかを確認しておきましょう。 生活保護は、あらゆる資産や能力などを活用しても、国が定めた基準で計算した「最低生活費」に収入が満たない場合に受給できます。 収入が最低生活費以下であるかどうかを確認する前に、まずは、資産を所有している場合は売却などの方法で活用すること、世帯の中に働ける人がいる場合は能力に応じて働くことが必要です。 さらに可能な場合は、親族からの援助を受けること、年金や手当などのほかの社会保障制度を優先することも必要とされています。
借金をした状態で生活保護は受けられるのか?
上記でご紹介した生活保護の受給要件には、借金に関する記載はありません。 「借金をしている状態では生活保護は受給できない」と明確に示されているわけではありませんので、借金をしていても、生活保護の申請自体はできる可能性があるというようにも考えられます。 しかし生活保護は、自身が持てるすべての資産や能力を活用しても生活に困窮している人へ向けた制度です。 また、厚生労働省の「生活保護制度」に関するQ&Aにも「住宅ローンを保護費から返済することはできない」とあるように、受給した生活保護費を使って借金を返済することは認められていません。 つまり、生活保護を受けても借金を返済することは困難であると判断できることからも、借金をした状態で生活保護を受けることはできないと考えたほうがよいでしょう。