娘を「お嬢さん」奴隷許す契約書…いびつな「瑠奈ファースト」の家族関係 札幌の頭部切断
瑠奈被告は中学2年生のころから精神科を受診。18歳ごろには自宅で引きこもりの状態になり、自殺未遂を繰り返した。このころから、「田村瑠奈は死んだ」「田村瑠奈の体には5~6人の魂が入っていて、体を借りているだけ」などと発言し、自身を「ルルー」や「シンシア」と名乗るようになったという。
■「この世の地獄」、ビデオ撮影も
浩子被告が自宅に被害男性の遺体があることを認識するまでの流れでは、男性が殺害された翌日の昨年7月2日朝、自宅の浴室に見慣れないプラスチックケースがあり、その中に黒いゴミ袋のようなものが入っているのを確認。数時間後、起床してきた瑠奈被告から「おじさんの頭を持って帰ってきた」などと聞かされたとした。
当初は半信半疑だった浩子被告だったが、3日に頭部のない遺体が見つかったというニュースを知り、「本当かもしれない」と不安に駆られた。その後、瑠奈被告から「見て」と言われ、浴室に向かうと、洗い場に男性の頭部が置かれていたという。弁護側は、「浩子さんは、この世の地獄がここにあると思い、絶望感に襲われた」と、このときの心境を代弁した。
事件では、浴室にあった男性の頭部について、瑠奈被告が7日、顔周辺にさらに危害を加えようとし、その様子のビデオ撮影を浩子被告へ要求したとされる。
検察側は、その後に浩子被告が、「撮影カメラマンするでしょ?」などと修被告へ代理撮影を求めるメッセージを送って依頼し、損壊行為を容易にさせたなどとも主張した。
浩子被告の次回公判は7月1日の予定。瑠奈被告と修被告の裁判は裁判員裁判の対象で、初公判までは時間がかかる見通しだ。