あの伝説の名作映画“セブン"の監督の最新作『ザ・キラー』が、やっぱり、とってもヤバかった!
【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】
筆者が“聖典”と、呼んでいる、映画『セブン』のデヴィッド・フィンチャー監督の新作「殺し屋が、些細なミスから様々なトラブルに巻き込まれていく」という、ありがちなノワールサスペンスなんですが(“ノワール”は、フランス語で“黒”を現す言葉で“犯罪を扱う作品”によく、使われます)とても、カッコ良かった! それもそのはず、スタッフは、フィンチャー作品の常連さんが勢揃い。 「テンプレを面白く撮れる」ことこそが、監督業の最大の“誉れ”だと思っています。 「桃太郎」みたいな、やりつくされた作品を、過去の、どの、天才たちより面白く撮るのは、むちゃくちゃしんどいんですよ。 「古畑の脚本をするとして、コロンボより面白く作れるかどうか問題」と僕は勝手に呼んでいます。 この作品は"テンプレ"を、凌駕していました。 ほぼほぼ、モノローグという、ナレーション(大河ドラマとかで状況の説明のために入るヤツ)とは違う「本人のクチには出していない心情の言葉」で、ストーリーが進んでいく。無口な主人公のモノローグだけで、状況が説明されていき、絵、音、演技、全てがマッチしないと成り立たない構成を見事にやってのけていて、感服しました。 いうなれば「ハードボイルド友蔵 心の俳句」。 筆者は、そこまで英語が堪能ではないのですが、この“殺し屋のモノローグ”と、いうのは、生死もかかわるので、かなり哲学的なことが続くので、めっちゃ難しい! 字幕で観たのですが「ゼロ」って、一言決めているところに「全くない」と、あてていたり、翻訳者さんも相当ヤバい。 字幕のルールとして聞いたのが「観客は、1秒に4文字、読める」らしいのですが、この「殺し屋のモノローグの翻訳」、素晴らしい!! ルールを破っているところも、大胆に意訳しているところも、見事にハマっていてとても観やすかったです。 ごちゃごちゃ書いておいてなんですが“何にも考えずに楽しめる映画!”なので、是非、皆様、劇場へ!