事故踏切、対応「速やかに」 常総線 運輸安全委が報告書 茨城
茨城県常総市平内にある関東鉄道常総線の「平内2踏切」で今年1月に起きた死亡事故について、国の運輸安全委員会が28日、調査報告書を公表し、「速やかに具体的な取り組みを実施することが必要」と指摘した。同踏切は遮断機や警報器がない「第4種踏切」で、2011年にも死亡事故が発生している。関東鉄道は本年度内に遮断機などを備えた「第1種踏切」への切り替えを予定している。 現場の平内2踏切は、住宅地内にある。住民らがごみ捨て場などに行くために通行するほか、幅の広い道路に面しているため、車の往来も少なくないという。 今年1月の死亡事故では、同市の女性=当時(84)=が自転車に乗って踏切を横断しようとした際に列車にはねられた。11年の事故では、踏切を横断中の歩行者が列車にはねられ死亡した。報告書によると、11年の事故後に踏切の廃止に向けた協議が同社と市で行われたが、合意には至らなかったという。 報告書では「第4種踏切道は、安全性向上のためには廃止するのが望ましい」とした上で、廃止できない場合については「第1種踏切への改良すべき」とした。同踏切に関しても事業者や道路管理者、地域住民が協力して廃止などに向けた協議を進め、「具体的な取り組みを実施することが必要」と指摘した。 関東鉄道は今年1月の事故を受け、同踏切付近で、迂回(うかい)を促す看板の設置やカーブミラーの増設といった再発防止策を実施した。加えて、25年以降に予定していた第1種踏切への切り替えを本年度内に前倒しすることも決め、市や地域住民と協議を進めている。 同社によると、常総線の第4種踏切は平内2踏切を含めて30カ所。他の踏切についても対策を進めており、同県守谷市内にある「新開踏切」も第1種踏切に切り替える予定という。同社の担当者は「事故防止に向けて第4種踏切の廃止を進めていきたい」と話している。
茨城新聞社