吉野家が"ダチョウ丼"を発売!背景には『食糧問題』 実は栄養ピカイチで病気知らずなスーパーアニマル「ダチョウ」は人類の救世主になるかも!?
4億年前から変わらない姿のスーパーアニマル「ダチョウ」 栄養面もピカイチ
では、ダチョウとはどんな生態なのか。吉野家では2017年から研究が進められているダチョウ。世界最大の鳥で大きさは約2~2.5m、体重は約160kgあります。2足歩行では最速で時速60~70km走ることができ、30分以上走れる持久力も兼ね備えています。そして能力の高さに関係してくる特徴が、4億年前から変わらない姿。ただ、能力高い反面、残念なところもあります。脳は40gしかなく、京都府立大学・塚本康浩学長によると“アホ”だということです。自分の家族を忘れてしまって産んだ卵を踏んでしまうこともあると言います。 食肉として考えたときの栄養面では、カロリーや脂質が低く、鉄分やビタミンBが多い。そのためアスリート向きとも言われています。
牛豚鶏より優れた点がたくさん!当面の課題はコスト面か
牛はBSE、鶏は鳥インフルエンザなどの病気のリスクがあります。またエサはトウモロコシなど輸入穀物に頼っているため人類と穀物の奪い合いになるのではないかとも言われています。一方でダチョウは抜群の抵抗力を持っていて病気になることがほとんどありません。さらに草食動物で、エサは余り野菜でもOKなので食品リサイクルの循環にも入れて負担が少ないです。そのうえ小食で牛の20分の1しか食べず、体内にはメタンガスを抑える抗体があるためメタンガスを出しません。その抗体を牛に与えてメタンガスを抑える研究なども進められています。 小食であっても栄養を効率良く吸収しきるため、ダチョウのフンはほとんど臭いもなく、ハエさえとまらないと言います。 しかし”ダチョウ食”としての課題は、現時点では需要が見込めず投資しずらいため、コストが高くなる点です。吉野家で新発売されたオーストリッチ丼は1683円(税込み)で少し高いですが、地球の未来のためにと考えてみてもいいかもしれません。
美容や医療にも応用!?ダチョウの可能性
最後に、ダチョウのスゴさは食だけではありません。ダチョウは肉が40%、脂が8%。骨が17%、羽根や皮などが35%です(※1羽あたり)。脂の部分は美容に良いということで、とてもサラサラしていて浸透性が高いそうです。スキンケア用品でオーストリッチオイルとして注目されています。また、羽根や皮などは財布などの革製品、羽根は衣装で使われることもあります。骨はスープに使われたりしています。さらに、ダチョウの抗体には薄毛防止効果があるかもしれないということで、今研究が進められています。 ダチョウは医療分野へも応用できるのではないか言われています。大きい目は角膜に、長い首は血管に利用できないかと研究が進んでいて、ダチョウをさまざまなことに活用した未来があるかもしれません。 (2024年8月28日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)