『電動ドライバーで足を刺したり便を食べさせた』殺人や死体損壊・遺棄などで逮捕された男が被害者に暴行を始めたきっかけは「自分の障害をバカにしている」同居する知人男性の首を絞め殺害、遺体をチェーンソーで切断し遺棄するまでの経緯
■検察側の冒頭陳述で明らかになった殺害までの経緯 2022年7月頃になると、前田被告は山口被告と同居する自宅アパートに被害者の男性を頻繁に連れ込むようになり、3人で生活するようになる。これを山口被告は快く思っていなかったという。 3人での生活はすぐに破綻。2022年8月、前田被告は男性が「自分の障害をバカにしている」などと伝え聞き、そのことに腹を立て男性に暴行を加えるようになる。また、男性にウソをつかせ、男性が父親や友人から借りた金を巻き上げていた。 2022年10月から11月にかけては金を借りることができなくなった男性に対する暴行がエスカレート。電動ドライバーの先端で足を刺すなどしてけがをさせたほか、同居している家を出るか便を食べるかの選択を迫るなどした。男性は、山口被告らから暴行を受けることで肉体的にも精神的にも追い詰められ、逆らうことが出来なくなっていたという。 2022年11月10日、暴行を加えた勢いで足の指の骨が折れた前田被告。山口被告と病院に行き、自宅に戻ると男性が持病のてんかんの発作を発症し倒れていた。その影響で部屋は荒れた状態となり、そのことに山口被告が激昂。2人で男性の首を絞め殺害した。11月12日から14日にかけ自宅の浴室で遺体を切断。スーツケースに入れタクシーで荒浜地区に向かい地中に遺体を遺棄した。 ■弁護側は「自責の念にかられている」と擁護 弁護側は、冒頭陳述で殺害については争わないとしながらも、男性の心肺が停止した後、自責の念にかられた前田被告が救命行為を行おうとしたと擁護。 また自首しようとしたが、山口被告の懇願により断念したと話した。 ■被害者の健康保険証を使い入院 前田被告と山口被告は、殺害現場となった自宅アパートから転居するための費用が必要と考え、被害男性の友人から金をだまし取る詐欺行為にも及んだ。合わせて105万円をだまし取りその後は各地を転々とした。 2022年12月、青森にて前田被告が急性肝炎を患う。前田被告は被害男性の健康保険証を使い男性になりすまし、病院に入院。
しかし、いずれ犯行が発覚すると思い警察に自首したという。 17日の初公判では、およそ1時間かけ検察側と弁護側の冒頭陳述が行われた。30分の休廷を挟んで裁判を再開しようとした矢先、前田被告が体調不良を訴えたため、この日の裁判は予定より早く切り上げられた。 18日と25日には被告人質問が行われ、11月7日に判決が言い渡される。なお、山口被告の公判はまだ始まっていない。
東北放送