韓国開発研「来年の民間消費増加率1%台後半を予想」
韓国の来年の民間消費増加率が1%台後半と予想される中、中長期的には1%台半ばを超えるのは難しいという国策研究機関の分析があった。潜在成長率の低下と政府支出の増加、消費財価格の上昇などの余波が続いているからだ。消費活性化のためには生産潜在力を引き上げる構造改革と輸出競争力の向上、財政支出の効率化が必要という提言だ。 韓国開発研究院(KDI)は7日、報告書「懸案分析:中長期民間消費の増加傾向鈍化の要因と示唆点」で、韓国の民間消費が昨年4-6月期から1%前後の低い増加率にとどまっている原因を分析した。 KDIによると、2017ー19年に平均2.8%だった民間消費増加率が最近の6期は平均1.0%と鈍化した。キム・ジュンヒョンKDI経済展望室動向総括は「もちろん高金利・物価高などによる短期的な要因が作用するが、経済構造的な側面が反映されたところがある」と述べた。 最初に指摘されたのは潜在成長率の低下だ。潜在成長率とは労働・資本などを投入して物価上昇を誘発せずに最大で達成できる国内総生産(GDP)増加率をいう。すなわち、消費するには成長が活発になり所得が増えなければならないが、潜在成長率が低下して消費余力が大きくないということだ。2001年に5%台半ばだった潜在成長率は高齢化などで2%前後まで下がった。 政府消費の比率が拡大している点も問題だ。政府支出の拡大は結局、国民の負担を増やす要因として作用するからだ。例えば2000年比で2022年の政府消費の拡大には保健部門が最も大きく寄与したが、これは健康保険料支出の増加につながり、民間消費をむしろ制約したと分析された。 実質購買力が低下した点も注目する必要がある。消費財の価格が投資材や輸出品の価格より速く上がれば消費余力が減るからだ。特に2001ー23年の輸出(0.6%)は輸入(1.9%)に比べて低い価格上昇率となり、民間消費増加率を年平均0.4%ポイント低める要因として作用した。 KDIは最近の民間消費の傾向的増加率を1%台半ばと推定した。来年は金利引き下げや輸出改善の効果で民間消費の増加率が1%台後半にやや上昇するだろうが、構造的な変化がなければ長期的には1%台半ばを上回るのは難しいという見方を示した。KDIは民間消費を活性化するためには構造改革を通じて潜在成長率の低下傾向を緩衝し、輸出競争力を強化する一方、政府消費の拡大には慎重になるべきだと提言した。