<鈴村健一>「鬼滅の刃」 伊黒が炭治郎と柱稽古 「さっさと死ねゴミカス」に込めた思い
吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんの人気マンガが原作のアニメ「鬼滅の刃」の新作テレビアニメ「柱稽古編」。5月に放送をスタートし、鬼殺隊最強の剣士・柱が本格的に登場したことも話題になっている。6月9日放送の第5話では、竈門炭治郎が蛇柱の伊黒小芭内(いぐろ・おばない)の元で厳しい柱稽古に臨む姿が描かれた。伊黒を演じる鈴村健一さんに収録の裏側を聞いた。 【写真特集】「柱稽古編」 話題になった伊黒の蛇の呼吸! 神作画! 鈴村健一の撮り下ろし写真も
◇伊黒の一言に込められたニュアンスを大切に
「柱稽古編」では、鬼の始祖・鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)との戦いに備えた柱稽古が描かれる。伊黒の柱稽古は、稽古(けいこ)場に縛り付けられた隊士たちが所狭しと並べられており、その間を縫って攻撃してくる伊黒に立ち向かう……という厳しいものだった。
伊黒はネチネチとした性格である半面、同じ柱の恋柱・甘露寺蜜璃(かんろじ・みつり)とは文通もしており、第5話では、甘露寺と親しくする炭治郎に嫉妬するような姿も見せた。稽古を終えた炭治郎に伊黒が「さっさと死ねゴミカス。なれなれしく甘露寺としゃべるな」と毒を吐くシーンも印象的だった。
「ああいうせりふは演じていて楽しいですね(笑い)。かといって、伊黒は悪い人じゃない。そこが面白いところで、あのせりふにも意味があると思うんですよね。炭治郎を少し認めている部分もあるのではないかと。炭治郎は、ほかの若い隊士よりも稽古についてこれていたし、そういうところも伊黒は見ているのではないかと思いました。なので、ああいうせりふですけど、要素がいっぱい入っていて、そういうニュアンスが入り込めばいいなと思って演じていました」
◇鈴村健一が嫉妬する声優は?
伊黒の嫉妬するような姿も描かれた第5話だったが、鈴村さん自身が「鬼滅の刃」で「嫉妬してしまうほどすごいと感じる声優」を聞くと、炭治郎役の花江夏樹さんの名前が挙がった。
「皆さん、本当にすごいなと思いますけどね。花江くんが演じる炭治郎は、役者目線で見ると“激ムズ”の役なんです。まず、技術的に難しいのが、モノローグが多い演出になっていること。せりふと心の声が常に同軸で流れている。あれって、マンガだから成立している部分が多分にあったと思うんです。作劇において、モノローグは諸刃(もろは)の剣で、説明ぜりふになってしまいがちなんです。演じる側としては、そうならないように演じなきゃいけない。炭治郎のあれだけの量のモノローグをそうやって演じなきゃいけないのは、ものすごく難しいですよね。それをオンエアで見た時に『すごく上手に表現しているな』と思いました」