[山口県]光市内バス、新たな運行スタート 中国ジェイアールバス撤退受け 地元事業者が路線継続
利用者から感謝の声
中国ジェイアールバスが赤字のため光市内の路線から3月末で撤退したことを受け、市が地元事業者2社の協力を得て本年度から路線を継続することになり、新たな運行が1日から始まった。通学で利用する生徒らからは感謝の声が聞かれた。 2社は同じ近鉄グループで、防長交通(周南市)と周南近鉄タクシー(同)。運転手不足の影響はあるが現行のおおむね4割の便数は確保し、需要の高い朝夕時間帯などに配慮し通勤、通学、通院など地域住民の生活を支える。 JR光駅前で記念式典を実施。参加した山口大付属光中学校3年の男子生徒(14)は通学で毎日今回の対象路線を利用。「廃止されると聞き不安を感じたが、継続されてありがたい。これからも登下校で使いたい」と感謝した。 防長交通の東田成民社長は市から要請を受けた際に運転手不足などを背景に当初辞退した経緯を明かし、地元の多くの要請を受けて最終決断したという。「路線バスは地域を支える交通インフラ。利用者にとって便数は満足のいく本数ではないと思うが、地元事業者の使命を果たしたい」と述べた。 継続する路線は防長交通がJR光駅―室積方面の国道188号沿いを走る主要路線、周南近鉄タクシーが循環バス路線「ひかりぐるりんバス」を担う。市によると、廃止となった路線は年間延べ約30万人の利用があり、問題が明らかになった昨年8月以降、地域から不安の声が相次いでいた。