【フェアリーS】狙うは「重賞」か「東京マイル」の大敗馬 ラヴスコールがデータにピタリ合致
桜花賞を目指して
2024年1月7日(日)に中山競馬場で行われるフェアリーS(GⅢ・芝1600m)。桜花賞を目指す3歳牝馬たちが集う、年初のマイル重賞だ。 【ホープフルステークス2023 注目馬】自在性高く安定感と能力はピカイチ! SPAIA編集部の注目馬を紹介(SPAIA) ほとんどの年で1勝馬多数のメンバー構成に加え、紛れの生じやすい中山マイルの多頭数という条件も相まって波乱が多発する。昨年は11番人気キタウイングが勝利して3連単は51万円超の配当が飛び出した。 今年はアスター賞をレコード勝ちして阪神JFでも4番人気に推されたキャットファイトが中心になりそうだが、馬券の上で狙うべきは果たしてどの馬か。過去10年のデータを基に展望していく。
2桁人気も侮れず
さっそく人気別成績から。1番人気【1-2-0-7】、2番人気【1-0-0-9】が頼りなく、3番人気【4-0-1-5】が比較的信用できる程度。上位人気馬全体としては低調だ。4~8番人気が【1-6-9-34】と2~3着の大半を占め、9番人気【0-0-0-9】を挟み、10番人気以下【3-2-0-65】。少なからず中穴~大穴を絡めていかないと3連系馬券の的中にはなかなかたどり着けない。 所属別では関東馬【10-8-9-105】勝率7.6%、複勝率20.5%に対し、関西馬【0-2-1-24】複勝率11.1%と少し差がつく。 これはホームとアウェーの差もあるだろうが、そもそも能力に自信のある関西馬はここに来ない、という面が大きい。桜花賞まで待ったなしで賞金を積みたい時期に、厩舎自慢の期待馬をあえて東に運んでまで紛れの大きい番組を使う道理はない。実際、この27頭の関西馬には、その後3歳GⅠはおろか同年の重賞で連対した馬すら1頭もいなかった。言外の意図まで汲み取りたい。 続いて前走クラス別成績だが、これがなんとも難解。複勝率がもっとも高いのは前走新馬【1-0-5-20】複勝率23.1%だが、未勝利【3-2-3-30】同21.1%、1勝クラス【3-8-1-46】同20.7%と大差なし。問題は前走OP・L【0-0-0-4】とJRA重賞【3-0-1-28】複勝率12.5%が振るわないこと。 ただし重賞組に関しては3勝いずれも、そこで1.0秒以上離されて負けた馬だった。17年ライジングリーズン(10番人気1着)、22年ライラック(5番人気1着)、23年キタウイング(11番人気1着)と、ひとつひとつが配当的にハードパンチ。割引材料としてしまうのはもったいない。 格が参考にならないと分かったので、切り口を変えてコースに着目する。まず前走で同じ中山芝1600mを走っていた馬は、2着以内なら【2-1-1-8】複勝率33.3%、3着以下なら【0-0-0-6】で馬券絡みなし。今年の登録馬ではニシノコイゴコロ、ラーンザロープス(シンザン記念にも登録)が該当する。当たり前のようだが、同コースでの着順は素直に受け取れる。 一方、前走が東京芝1600mだった馬はどうか。2着以内【2-0-3-17】勝率9.1%、複勝率22.7%に対し、3着以下【3-3-0-20】勝率11.5%、複勝率23.1%とほぼ互角。当然ながら前走着順の悪い組の方がオッズはつくわけで、回収率を見ると「2着以内」が単40%、複61%、「3着以下」は単298%、複108%となっている。馬券的に狙うは圧倒的に後者だ。今年の登録馬ではラヴスコールやエリカリーシャン、ティンクなどが該当する。 中山マイルでの実績は信頼しつつ、穴は「東京で着順を崩したが、中山替わりで好転しそうなタイプ」から探す。極めて難解なレースだが、これが数少ない突破口と言えるのではないか。