尻屋埼灯台(青森・東通村)を特別公開 最上部のレンズ磨き体験も 八戸海上保安部
八戸海上保安部は4日、国重要文化財に指定されている尻屋埼灯台(青森県東通村)の特別公開を一日限定で行った。灯台の内部を無料で見学でき、普段は見られない灯台最上部の「第二等フレネル式レンズ」を事前予約客に公開した。全国から集った灯台ファンたちが特別なひとときを満喫した。 2019年以来5年ぶりに開催。訪れた観光客らは128段のらせん階段を上り、海風を浴びながら高さ約30メートルからの景色を眺めたり、太平洋側と津軽海峡側の潮目の写真などを撮影したりしていた。 フレネル式レンズの見学とレンズ磨き体験には、首都圏などから多くの人が参加。中心レンズの回りにはプリズムレンズを配置しており、光の屈折や反射を生かして18.5カイリ(約34キロ)先まで光が届くという。 横浜市の佐藤純さんは「年代物のレンズで現存していることが珍しい。最上部には入れない灯台も多いので直接見られてうれしい。磨くと反射がさらにきれいで感無量です」と喜んでいた。 1876(明治9)年10月20日に初点灯した尻屋埼灯台の光度は53万カンデラで、英国の土木技師リチャード・ヘンリー・ブラントンが設計した。特別公開ではこのほか、灯台の写真展や冊子の無料配布も行った。