「リリーフはやられたらやり返す」大勢が中川の思い背負い雪辱の0封 昨季の5月広島戦で2戦連続S失敗
◆JERA セ・リーグ 巨人2―1広島(14日・東京ドーム) 悔しさ、そして感謝。大勢投手(24)の気持ちがボールに乗った。2―1の9回、まずは野間を二ゴロ。代打・松山もフォークで空振り三振に斬ると、最後は小園を投ゴロに打ち取り、わずか12球での圧巻締め。4セーブ目をマークし、トップの中日・マルティネスに1差の2位とした。「礼アニキとバルドナードアニキがしっかりつないでくれたので引き締まりました」とおどけて笑ったが、強い思いがあった。 やり返したかった。昨季の5月12、13日の広島戦(東京D)で2日連続1点リードの中登板して、自身初の2試合連続セーブ失敗を経験。広島には4試合に登板し、防御率11・25に終わり「やられたらやり返すの繰り返し。相手を上回れるように自分自身と向き合っていかないといけない」。やられたままでは終われなかった。「去年やられましたけど、割り切って戦えたのがよかった」と悔しさを払しょく。最速157キロを計測した直球でリベンジした。 その強い気持ちを教えてくれたのは中川だった。「皓太さんは『リリーフはやられたらやり返す』。打たれても切り替えないといけないと。その言葉が印象に残っている」。その中川が、左膝痛で故障班へ合流することが決まった。「膝が痛い中チームのためにという姿を見ていたので、気持ちを無駄にしないように。皓太さんが帰った時により一層強い、いいリリーフ陣になれるようにしたい」。昨季、右上肢のコンディション不良で離脱中は代役で守護神を務めてくれた先輩への感謝もある。今度は自らが中川の分もチームを支える覚悟だ。 「去年やられた広島をしっかり抑えたのは自信にもなるし安心材料になったんじゃないかな」と大勢。完全復活を遂げた守護神がいる。これほど心強いことはない。(水上 智恵)
報知新聞社