【ブライトン戦 現地レポート】勝ち点「1」の“黒星”…三笘が語るピッチ上で起こっていた認識のズレ
■勝ち点「1」の“黒星” 試合終了を告げる笛を聴き、ロッカールームへ引き上げていくブライトンの選手たち。 その沈んだ表情は、彼らにとってこの引き分けが「負け」に等しいことを物語っていた。 時折小雨の降る曇天の中で行われたアメックス・スタジアムでの一戦は、ホームに駆けつけたファンが望んだ結果とはならなかった。 リーグ最下位のシェフィールド・ユナイテッドをホームに迎えての勝ち点「1」は、間違いなく今のブライトンにとって納得できる結果ではない。 前半は最高の滑り出しだった。 開始早々の6分、この日、三笘薫に代わって左サイドで先発を果たしたMFシモン・アディングラが、MFファクンド・ブオナノッテとの絶妙な連携から先制点をマーク。その後は追加点こそ奪えなかったものの圧倒的にボールを支配し、シェフィールド・ユナイテッドにチャンスらしいチャンスすら作らせなかった。 しかしブライトンは後半、前半のうちに2点目を決められなかったツケを払わされることになる。 MFマフムート・ダフートの退場を機にシェフィールド・ユナイテッドが息を吹き返すと、そのわずか5分後にDFアダム・ウェブスターがオウンゴール。 同点とされた後も攻め込まれるシーンが散見され、退場後の試合展開は筆者に「勝ち点『1』を拾った」という感想を抱かせるほどの劣勢だった。
■退場が引き起こした認識のズレ 試合後のミーティングは30分にも及んだ。 ロッカールームから出てくる選手や関係者の表情には一切の緩みもなく、ただただ重苦しい空気がトンネル内を支配していた。 「今シーズンを象徴するような試合かなと思います」 普段から寡黙な三笘の口調からも、事態の深刻さが伝わってくる。 「チームとしての考え方でもっと統一しないといけなかったですし、失点のところは自分のミスもありましたし。本当に悔しいです」 三笘が言及したように、数的不利になってからのブライトンはチームとしての一体感が欠けていたようにも見える。現に失点時の三笘のポジショニングは通常時と変わらない高さだった。手薄になった中盤を経由して三笘のサイドにボールが展開されるまでいつもより時間がかからず、戻りきれなかったといったところだろうか。10人になっても2点目を取りにいくのか、はたまた1点のリードを守るのか。戦況の変化によって生まれた認識のズレを、“ブレーズ”は見逃さなかった。