既存店全社が増収 中部専門店9社の8月売上高 休日増や猛暑が影響
中部地方の主要専門店チェーン9社の8月の売上高実績(速報値)がまとまった。既存店ベースで全社が前年同月実績を上回った。全社増収は、過去10年間で初めて。最大9連休だった盆期間に客数が伸びたほか、猛暑や台風、地震の影響で関連商品が売れた。賃上げの動きが広がり、個人消費がじわり回復しているようだ。 既存店売上高が12・1%増と最も伸びた雑貨店のヴィレッジヴァンガードコーポレーションは、休日が多かったことが寄与した。 スポーツ用品店のアルペンは、盆の前に水着や浮き輪などのレジャー需要が堅調に推移。キャンプ用品も引き合いがあり、これまで低調だったアウトドアカテゴリーの売上高が前年を上回った。担当者は「盆に台風が直撃しなかったことも押し上げ要因になった」と話す。 スギ薬局は、地震の影響でトイレットペーパーなどの日用品が売れ、ホームケア部門の売上高が12・8%増だった。水やレトルト食品などを含むフーズ部門は11・3%伸長した。
「V・drug」を展開する中部薬品は、8月6日の「バローの日」にチラシ販促を初めて実施し、集客につなげた。米の品薄による買いだめ需要に応え、10キログラムから5キログラムの内容量の商品に変更して、数量を確保した。殺虫剤や冷却用品なども好調だった。 100円均一のセリアは、帰省客の来店が多かった。地震や台風の影響で電池、除菌シート、ばんそうこうなどの防災用品も売れた。 パレモ・ホールディングスは1年ぶりの既存店増収。アパレル事業ではカットソーやブラウスなどの盛夏商品、300円均一の雑貨事業では冷感素材や紫外線対策商品の動きがあった。 書店の三洋堂ホールディングスは5カ月ぶりに既存店売上高が前年を超えた。トレーディングカードやゲームなどが貢献したほか、人気アーティストのCD発売も大きかった。